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【卒業生インタビュー】情熱しかなかった男が、脳みそにシワを作った2年間

研修_No.033

LFA卒業生インタビュー2016 第3弾!
情熱しかなかった男が、脳みそにシワを作った2年間

卒業生インタビューの第3弾では、矢野勇樹(やの ゆうき)さんをご紹介します。
2012年〜2014年に、ボランティア教師や拠点の責任者を経験した矢野さんはLearning for All史上、最も情熱的な教師のうちの一人として、多くの人の記憶に残っています。

ーではまず、LFAの活動に参加したきっかけから教えてください。
今思うと自分が中学生のときに感じた違和感がもとになっています。
中学生のときに、やんちゃな友だちと過ごすことが多かったんです。その中で、やんちゃなだけで止まらずに、悪い行動に走ってしまって、学校にもいられなくなり、転校してしまった友だちがいました。
彼の家庭は複雑で、経済的にも家庭環境的にも厳しいものがありました。勉強はできないし、授業中の態度は良くないし、先生や大人から見たら「悪い奴」なんだけど、自分にとっては「よい奴」で「面白い奴」だったんです。「勉強ができるかどうか」という一つの側面だけで評価する先生を見て、「教師ってなんなんだろう?」というのが最初に抱いた教育に対する問題意識です。
それと同時に思ったのが、自分は家庭環境に恵まれていたからやんちゃなだけで踏みとどまれたのかしれないな、ということと、自分も彼に対して何かできたんじゃないか、という後悔です。そのときから抱えていた思いがLFAの理念と重なったことが、参加したきっかけです。

 

ーLFAの活動のなかで学んだことを教えてください。
ボランティア教師としては2期に渡って活動しました。その中で、まず学んだのが、「その子にはその子の分かり方、学び方があるんだ」ということです。ある子どもにとって理解しやすいやり方が他の子どもにとってもベストとは限らない。子どもにとって一番わかりやすい方法を模索していく、ということが必要でした。例えば、算数の学習が遅れていて、足し算の繰り上がりができない…という小学生に対して、具体物を使って足し算の概念を伝えていくとしても、「えんぴつ」を使って説明するのか、もっと普段の生活に馴染みのあるものを使ったほうがいいのか。そんなこと一つとっても一人ひとりの子どもに合わせた工夫が必要だということです。
あとは、子どもに向き合うたびに自分自身が試されるということですね。子どもたちに成長してもらおうと思ったら、自分も成長しないといけない。格好良い言い方をすると「僕が変わらないとあの子も変わらない」。
LFAでの活動では、フィードバックをもらう機会が多いので、自分の知らなかった自分、気づいていなかった部分というのをたくさん突きつけられました。

 

ー印象に残っているエピソードはありますか?
自分が担当していた小学3年生の子どもが指導の帰りがけに言った一言ですね。1回目の指導が終わって帰るとき、その生徒が半ば無意識のように「あー楽しかった。」と言ったんです。すぐに慌てて「うそうそ、今のうそ」照れながら訂正してしまいましたが。
その子が「楽しかった」と言ってくれたのは、できないと思っていたことができた、できることの楽しさがちょっとわかったからではないかと思います。やっぱり「できた瞬間」って楽しいんだな…ということを実感した経験でした。
あとは、保護者の方から「学校では勉強についていけず辛そうだ」という連絡をもらったことですね。そのときに思ったのは、この生徒が自分のペースで勉強できる場所は、ここしかないんだということです。子どもたちが自分のペースで勉強に向き合っていく場所にしたい、と強く思いました。

 

ー拠点責任者や事務局でのインターンもされていましたが、そこで学んだことはありますか?
学びの連続でした。
一人の教師として、担当の子ども達のことを見る、ということと、拠点の責任者として教室全体を見るということの難易度は自分にとっては全く別物でした。見通しが立てられない、マルチタスクが管理できない、ミーティングが仕切れない・・・と、とにかくできないことばかりで壁にぶつかりました。上司にあたるスタッフも呆れずによく付き合ってくれたな…と思います。
それまでは、やる気と情熱で走り抜けていく猪突猛進タイプでしたが、ようやく「情熱だけじゃダメだな」ということに気がつきました。目的を考えてやるべきことを洗い出す、時系列で物事を管理する…というマネジメントの基本を学びました。

ー最後に現在の仕事とその仕事を選んだ理由を教えてください。
わたしは今、「プレーパーク」という子ども達が自由に遊べる遊び場を運営するNPOで働いています。自由に冒険的に思いっきり遊ぶことを通じて子どもたちの意欲や発想力、創造性など生きる力の根っこを育むことが団体の活動理念です。
大学卒業後は教師になろうと考えていて、採用試験も受けて小学校の先生になる一歩手前まで進んでいたのですが、自分自身のやりたいことを改めて考え直し、今の進路を選びました。わたし自身、子どものときに思いのままに自由に遊んだ経験が今の自分の価値観を支えてくれていると感じます。リスクに挑戦することにワクワクする、わけがわからないような状況を楽しめる、という自分の性質は、子どものときの体験に紐づいていると思うんです。
頭と体を使って思いっきり遊ぶ経験を通じて、自分を動かす原動力を見つけてもらいたい、そんな思いを持って子ども達に接しています。社会に出れば、いろんなスキルや能力が求められますが、そうしたものを身につけて活かすには、根幹となる自分自身の軸が必要だと思います。遊びを通じてそういった軸を育んでもらいたい、というのが私の思いです。

(編集後記)
「リスクを取るのが一番自分らしい」と笑顔で語る矢野さん。LFAでの活動を通じて、子ども達ひとりひとりに向き合った経験が、自分自身のキャリアを考えるうえでのターニングポイントになったといいます。
情熱と遊び心を忘れない、矢野さんの今後を応援しています!

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現在Learning for Allでは、8月中旬に実施する学習支援事業の夏期プログラムに参加してくださる大学生ボランティアを募集しています。
この記事にピン!と来た方は、ぜひ説明会にお越しください。

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