ブログ

【校長先生インタビュー】学校現場から見るLFAの価値とは?

koutyou

今回は、2014年の夏期からLFAのプログラムを取り入れている、葛飾区立大道中学校の殿村靖廣校長先生にインタビューを行いました。ユニークな取り組みを積極的に実践する殿村校長は、LFAの価値をどのように考えているのでしょうか?

-大道中学校はどんな教育を目指しているのですか?

大道中学校では、子どもたちに「自信と誇り」を持ってもらうことを目指しています。変化の激しい世の中で子どもたちが「自信と誇り」を持って生きていくため、対人関係スキルや課題解決力などの汎用的能力や、自己有用感などを育んでいくことが大切であると考えています。そのために、「4人組」や習熟度別少人数クラスなど、様々な取り組みを行っています。

-取り組みについてもう少し詳しく教えてください。

大道中学校の取り組みで最も力を入れているのが「4人組」です。「4人組」とは、学級の生活班を男女混合の4人1組に分けて人間関係づくりを行ったり、それを土台に授業の中で教え合いや学び合いを促したりする試みのことです。4人という人数は、全員が話し合いに参加できる丁度いい人数なんです。この中で自分の考えを発信したり、他者の意見に傾聴したりすることを繰り返していく中で、自己有用感や対人関係スキルなどを育んでいきます。また、授業内ではその日学んだことを授業の最後に教え合うということを通じて、学習内容の定着度が高まり、学年全体の学力向上にもつながっています。

%e6%ae%bf%e6%9d%91%e6%a0%a1%e9%95%b7%e2%91%a1

-面白い試みですね。こうした取り組みを実践する中で、LFAのプログラムを取り入れようと思ったのはなぜだったのですか?

もともと、低学力層の子どもに対しては教員が放課後に補習を行っていました。しかし、大きな学習遅滞を抱えた生徒数十名を数名の教員で対応するというのは正直難しいんですよね。そこで丁度Learning for Allの学習支援の話が舞い込んで来て、これはやるしかないだろうと思ったわけです。できるだけ早い段階で学習遅滞を解消することが必要だと考えていたので、特に支援が必要な中学1年生の30名(2014年当時)を通わせることにしたんです。

-LFAの学習支援教室に通っている子どもたちにはどんな変化が見られましたか?

一番大きな変化は、学習意欲や学習態度の改善ですね。当時、彼らの中には授業中に体操着を着て寝転がっていたり、自分は勉強ができないと決めつけて授業を全然聞かなかったりする生徒がいました。しかし、現在は授業中の話し合いにも積極的に参加するようになりましたし、自分自身で学習を進められるようになりました。それに伴って、学力も向上しています。授業中寝転がっていた生徒は、先日得意科目の模擬テストで偏差値70近く出したんですよ。学年の中でトップと言われている生徒の成績を抜いてしまったんです。これには教職員一同驚きましたね。

また、彼らが学力を底上げしたことによって、学年全体の学力も向上しています。1年間で3科目平均が全国平均(50)を上回ったんです。

%e5%ad%a6%e5%8a%9b%e3%83%87%e3%83%bc%e3%82%bf

(現在中学3年生の、中1~中2当時の教研式NRTの結果。赤の網掛けが偏差値が向上した箇所。)

-学校現場から見るLFAの価値はどのようなところにあると思いますか?

第一に、低学力層の子どもにとって学習面におけるセーフティーネットになっていると考えています。普通の学校では、低学力の子どもは見捨てられ、排除されてしまう傾向があると思うんです。LFAが導入される前までは、大道中学校では学校教員が放課後に補習を行っていましたが、数十名の低学力層の子どもに対して数名の教員で対応するには限度があります。子どもたちを見捨てたくないという想いはあっても、リソースが足りていない。そこをLFAが代わりに行い、「できた!」「わかった!」という成功体験を獲得することで自信がつき、学力や学習意欲が向上する。そして、それらが学校での学習態度の改善につながっていくんです。

また最近は、学習意欲が高く成績も悪くないが、家庭の経済的事情で塾に通えないなど学習環境が十分整っていない生徒も受け入れるようになりました。大道中学校ではLFAの学習支援教室を「やる気塾」と呼んでいます。もともとは子どもたちにやる気をつけさせるという意味で使っていましたが、現在はやる気のある子どもが通うという意味で使っています。そのため、低学力層の子どもだけでなく、学力中間層以上の子どもも一定数通っています。家庭の所得にかかわらず、本当にやる気のある生徒が無料で質の高い支援を受けられる場としても、大きな価値があると考えています。

-今後、学校外教育との連携がどのように広がっていくことを期待していますか?

取り組みが拡大するのは良いことですが、これらの活動を表面的に真似するのではなく、きちんと本質を理解したうえで、学校全体で、そして外部の組織と連携しながら取り組んでいくことが大切だと思います。外部組織に学習支援を丸投げすることは難しくありませんが、それだけでは意味がありません。LFAの学習支援教室には必ず教員が顔を出して生徒の様子を見るようにしてますし、可能な範囲で生徒の情報をLFAの方々に共有しています。

このように、学校と外部組織が協力して子どもを支えていく体制を築いていくことが重要だと考えています。大道中学校では、LFAの教室は子どもにとっても、教員にとっても「当たり前」のものになっており、もはや「学校の一部」として機能しています。そこに至るためには、支援を単発で終わらせるのではなく、最低3年間をかけて、長期的に取り組んでいくことが必要であると考えています。

======
(編集後記)
いかがでしたでしょうか?殿村校長先生の子どもへの想い、そして力強いリーダーシップを感じていただけたでしょうか?

筆者は2014年夏期から約半年間、大道中学校で教室運営のスタッフを務め、現在は別の中学校で教室運営を行っています。学校と連携した学習支援の教室で活動をしていて思うことは、殿村校長先生をはじめ、学校の教員の方々は日々多忙な中で「子どもをなんとかしたい」という想いを常に持っているということです。大道中学校では、殿村校長先生だけでなく、副校長先生や学年主任の先生、教科担任の先生など、様々な先生方がLFAの教室に見学に来てくださり、生徒を見守っています。また、どの先生も生徒の家庭環境や学力状況まで把握しています。私たちが行っている支援は、こうした素晴らしい学校の先生方と共に創り上げられていくものなのです。

大道中学校に限らず、LFAには他にも複数学校と連携した教室があります。教員を目指している方も、そうでない方も、学校現場で教員の方々がどんな想いで子どもたちに向き合っているのかということを知ることは、大きな意義があるのではないかと思います。

現在、Learning for Allでは、学習支援事業の冬期プログラムに参加する学生教師を募集中です。記事を読んで少しでも関心をお持ちいただいた方、まずはぜひ説明会に参加してみてください。

説明会予約およびプログラムの詳細はこちらから:http://bit.ly/saiyo1215

▼説明会日程
12月 16日(金) 18:00-20:00
【最終回】12月 17日(土) 18:00-20:00

▼開催場所
Learning for All オフィス はなれ (都営新宿線 曙橋駅より徒歩3分)

▼Learning for Allとは?
質の高い学習支援を通して、困難を抱えた子どもたちの可能性を広げるとともに、将来教育現場や社会でリーダーシップを発揮する人材を育成する、大学生向けプログラムを運営するNPO法人です。団体について詳しくはこちらをご覧ください。:j.mp/lfa_hp

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

コメントは利用できません。
ページ上部へ戻る