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家族の日に考える「子どもの貧困」と「家族」の関係

2018.11.23

みなさんこんにちは。Learning for All職員の藤原です。

今日、11月23日は何の日かご存知ですか?
「勤労感謝の日」という国民の祝日が制定されているほか、実は内閣府によって「家族の日」にも制定されていて、今日から一週間は「家族の週間」とも決められています。

家族は子どもが育つ基本的な環境であり、子どもの貧困を考えるにあたっても、
家族と子どもは切っても切れない関係にあります

今日は「家族の日」に際し、家族での子育てと貧困について考えていきます。

子どもの貧困と家族

親の経済状況が影響して、子どもに対して適切な子育ての環境を整えることができない状態が子どもの貧困と言えます。

つまり子どもの貧困とは、言い換えれば家族全体の貧困です。

子どもの貧困では、親の収入の格差が子どもの格差につながっているということが言われていますが、実は、格差や貧困に影響を与えるのは収入だけではありません

本来親から子に”相続”されるものはお金にとどまりません。

日本財団「子どもの貧困対策プロジェクト」記者発表資料(2016年5月23日)より

子どもにかける時間や、親の周囲との関係、親の生活習慣や親の価値観なども子どもに相続され、子どもの自立に必要な様々な力に繋がるのです。

親から子へ”相続”されるもののうち、例えば学業について取り上げると、
折口友樹(2008)では以下のように言われています。

家庭の教育機能である学校外教育投資、母親の教育態度、相続文化資本はそれぞれ別々の機能をもって学業達成を規定している。

(教育機能を簡単にまとめれば、知の伝達を行い、日ごろの学習時間も延ばす学習塾、子どもの学習の習慣化を導く文化資本、加熱装置としての母親の教育態度となる。)

つまり、子どもの学業だけについて考えても、塾など学校外の教育や、母親の態度、親から受け継がれるものが影響を与えていると言えます。

子育てにおいて重要な「社会的相続」とは?

日本財団「子どもの貧困対策プロジェクト」記者発表資料(2016年5月23日)より

子育てにおいて親から子に「自立する力」が受け継がれることを「社会的相続」と言います

福祉国家論を専門にしたエスピン・アンデルセンは、
“社会的相続は、所得と同等かそれ以上に重要である”と述べています。

つまり、家族で親から受け継がれる色々なスキルは、
子育てにおいて親の収入と同じかそれ以上に重要ということです。

皆さんの中でも知らず知らずのうちに親と似てきたところや影響を受けているところがたくさんあるのではないでしょうか。

裏を返すと、家庭で親が持っていなかったスキル、受け継がれなかったスキルは、子どもの世代でも持ちづらい傾向にあります。

これは子どもの貧困が世代をまたいで再生産される仕組みでもあります。

貧困世帯の親が、子どもに十分な教育を与えられなかった場合や、自立して生活する価値観を伝えられなかった場合、それは子どもにも連鎖します。

この連鎖を放っておいて良いのでしょうか。

社会全体の宝として子どもを育てていくことを考えた時、このような家庭によって違う「社会的相続」を補うため、必要な子どもたちに家庭的な環境で生活習慣から学習面までを提供する必要があります。

社会的相続を補う「子どもの家」

では具体的にはどのようなサービスがあるのでしょうか。

行政で行われているものとしては、乳児院、児童養護施設、また学童などが挙げられます。
今日は、日本財団とLearning for Allで行なっている「子どもの家」を紹介します。

読み聞かせの様子

子どもの家とは、貧困家庭の小学校低学年の子どもたちを対象に、放課後の遊びから夕ご飯まで提供する拠点です。

スタッフやボランティアとの関わりの中で、信頼や安心を得てすくすくと育つことができ、1対1の信頼関係を結ぶことができ、また決まった時間に食事をとること、食事の後は歯磨きをすること、共同生活の中で他者と関わり合うことなどの生活習慣も学ぶことができます。

実際にLearning for Allでは、子どもの家に通うようになって初めて歯磨きの仕方を学んだ子や、様々な野菜を口にできるようになった子などがいます。

日本財団「子どもの貧困対策プロジェクト」記者発表資料(2016年5月23日)より

このような仕組みがあることで、家庭の経済状況や親の養育の度合いに左右されず子どもたちが成長していくことができるのです。

まとめ

今回のブログでは、家族の日に際し、家族と子どもの貧困の関わりについて考えました。

家族の中で子どもが育つことが当たり前であると考えられていることの裏には、
家族によって子どもの育ちが左右されているということがあります。

どんな家庭の子どもでも社会の中ですくすくと育っていけるよう、手が差し伸べられている社会であるべきではないでしょうか。

参考文献
日本財団「子どもの貧困対策プロジェクト」記者発表資料(2016年5月23日)
内閣府「「家族の日」「家族の週間」のあらまし」
折口友樹「家庭の教育機能に関する研究一階層と学業達成のあいだへの着目一」,『教育學雑誌』, 2008, 43 巻, p. 97-111,

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