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【学生スタッフインタビュー】沖縄で生きるすべての子どもが包摂されるために

2018.12.6

こんにちは!経営管理チームインターンの佐々木です。
本日は、大学2年当時の2016年度春期プログラムから1年間ボランティア教師を務め、その後2017年度、2018年度と継続して教室運営責任者として活躍している、東京大学4年の宇地原栄斗(うちはら えいと)さんに話を聞きました。

3年近くLFAの現場で活動し続ける宇地原さんの強い想いを是非ご覧ください。

宇地原さんがLFAに参加した理由を教えてください

私は沖縄県という、気温も人も「あたたかい」島で生まれ育ちました。観光地として有名な沖縄県はそのイメージとは裏腹に、教育や子どもを取り巻く環境について、複雑で深刻な問題を抱えています。子どもの貧困率は全国の2倍、約3人に1人の子どもが貧困状態にあるといわれています。他にも全国で最も高い失業率や全国最下位の大学進学率など、教育と子どもに関わる様々な面において逼迫した状態にあります。それ以上に数字では表現しきれないような問題、生存にまで関わるような福祉の問題も多く抱えています。

このままでは、いつかこの島に生まれたことを誇りに思えず、後悔する子どもが現れるかもしれない、そう思って沖縄の教育・福祉、子どもを取り巻く環境にアプローチする手段を考えていました。そんな中、LFAを紹介してもらい、理念や課題解決の手段に感銘を受け、「同じものを、それ以上のものを沖縄でも再現したい」と思い、参加を決意しました。

沖縄での経験が原体験になっていると言っていましたが、それについて聞かせてください

「子どもの貧困」という言葉で取りざたされるような状況を、肌で感じて育ちました。金銭的な理由から大学の進学を断念する友人や、学力の遅れから高校への進学をあきらめる人、自らアルバイトでお金を稼ぎながら受験の費用を賄おうとする友人など、普通ではない状況が当たり前になっている感覚がありました。東京に来て、同じ大学の友人たちのことを見ていて所得や進学に対する意識等、多くの面で格差を感じました。大学進学率が40%以下と非常に低い沖縄では、東京大学に進学することは非常に珍しいことでした。

研修で子どもたちの現状について説明する宇地原さん

東大に入学してから同級生の話を聞くと、一つの学校から30人以上東大に合格する学校が当たり前のように存在し、「東大に入ること」が珍しくはない環境がありました。東大に限らずとも難関大学への進学において、その実現可能性の値が沖縄と東京では全く異なっているということに気づきました。

さらに私が最も差を感じたのは所得がもたらす教育格差への問題意識でした。東大の学内における友人とのコミュニケーション、サークル、ワークショップ等のイベントなど、様々なシーンにおいて教育格差に関する言葉を耳にする機会はほとんどありませんでした。多額の奨学金を借りて必死に進学している生徒や、そもそも、お金がなくて進学できない生徒がいることを認識していない学生も多くいました。私はこのことに衝撃を受けるとともに一つの理解を持ちました。東京大学に進学する学生の多くが経済的に余裕があり、教育水準も高い環境で生まれ育っています。したがって、教育格差やそれにより困窮する人の実際を目の当たりにする機会がありません。少なくとも沖縄よりは圧倒的に少ないはずです。

そのような状況においては、私やLFAが抱えているような問題意識を持つことは簡単ではないかもしれません。ただ、社会の中で排除される存在がいることを知り、彼らが自身の権利を主張し、生を全うするために行動することは義務だと思っています。私はこうした状況を少しでも変えたいです。まだまだできることは少ないですが、まずはLFAが運営している現場の質を高め、関わった子どもに対して成果を出せる支援の現場を作ること、同時に日本全国にLFAのような子どもの居場所が作られるよう尽力していきたいと思っています。一人でも多くの人が問題を解決すべきものとして認識し、問題意識をもって行動してほしいです。そのためにも同じような原体験を持つ大学生が一人でも多く立ち上がってくれることを願っています。

宇地原さんは2016年度の1年間ボランティア教師を務め、その後2017年度、今年度と継続して教室運営責任者を務めていますが、こんなにも長くLFAに関わっているのはなぜですか?
また、長く関わっているからこそ、感じていることがあれば教えてください。

これまで現場で多くの子どもたちと出会い、関わってきた中で、Learning for Allの現場をより良いものにしなければならないと強く感じたことが一番大きな理由です。

私は教師、現場運営責任者として2年以上、同じ拠点に関わってきました。現場で活動する中で出会ってきた子どもの中には初めて会ったときには想像もできなかったような変化を見せてくれる子どももいました。不登校気味で初対面の人と話せなかったけれども寺子屋の卒業の日には教室に通う他の子どもたちや学生スタッフ全員に対して高校で頑張ることをスピーチしてくれた子どももいましたし、初めてあった時は九九のできなかった子どもが一年かけて連立方程式ができるようになった時の笑顔もとても印象に残っています。

もちろんそうした子どもたちの存在は今も原動力になっていますが、続ける理由になっているのは大きな成長を届けることができていない子どもたちの存在です。不登校の子どもや家庭でストレスのかかる環境にいる子どもに対して、居場所として、限られた学習の機会のある場として、子どもたちが来たいと思える場所として機能しきれていないと感じることが何度かありました。現場があまりにも未熟であるが故に子どもたちにとってより良いものを届けられていない、そうした思いが増す中で、より質の高い現場を再現可能な形で運営していく、その先にある子どもの変容を目指そうという思いが自分の中にあり、それが続けて関わっていく理由になっています。

研修中の様子

子ども支援の現場で長く活動して感じるのは、その子ども自身の「変わりたい」という気持ちがなによりも子どもを変えるということです。寺子屋の中で子どもにこうなってほしいというのを考えながらも、一方的に押し付けず、その子どもの「こうしたい、こうなりたい」という思いを尊重しながら関わることが不可欠だと思っています。

寺子屋に来る子どもの中には初めは「勉強をしたくない」という言葉を口にする子どももいます。そうした子どもに一方的に何かを求めても支援の効果はないと思います。子どもが表明するニーズに寄り添いながらも、より高い目標やより大きな可能性を提示し、子ども自身が「やりたい」と思えるまで関わり続けることが重要で、そうした関わりを支えるような信頼関係や寺子屋での成功体験を作ることが求められると感じています。

最後に、将来実現したいことを教えてください

今は現場運営をしていますが、将来的には沖縄の中で子どもたちが包摂されるようなセーフティネットを地域で作りたいと思っています。Learning for Allのような現場を作って行くことももちろんそうですが、人に関わる多くの機関と資源が連携しながら、子どもや苦しむ人々を包摂できるような枠組みを作ることに尽力したいと考えています。その地域にあるリソースや繋がりが再興され、社会の中で抑圧されている人が忘却されることなく、権利を全うできる社会を目指しながら、そうした社会があることが当たり前だという認識や価値観を社会の中に訴えていきたいと考えています。


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