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【学生教師インタビュー】〜向き合う人がいれば子どもは必ず変わる〜

2019.6.26

Learning for All(以下LFA) 学生ボランティアインタビュー、今回は埼玉大学2年の武藤葵(むとう あおい)さんにお話を聞きました。武藤さんは、2018年10月より学生教師としてLFAの学習支援プログラムに参加し、現在も学生ボランティアとして活動しています。
子どもと向き合い信じ続けることで、子どもが自分の人生を自分で切り開いていけるようになってほしいと語る武藤さんの声をぜひご覧ください!

・LFAに参加した理由を教えてください

 日本社会の現状を変えたい、自分自身の課題を解決したい、そして、目の前にいる子どもと本気で向き合いたい。そんな気持ちを持っていた中、友人の紹介でLFAを知り参加しました。

LFAに参加する前、私は生活保護世帯の中学3年生に受験対策の指導をするアルバイトをしていました。そこで初めて担当した子どもは、中1レベルの学力が身についておらず、「勉強が嫌い」という発言を繰り返し、さらにはゲームによる夜更かしで生活サイクルも乱れていました。私は彼女に、「勉強が嫌いでゲームに逃げてしまう子」というレッテルを貼っていました。 しかし、授業にも慣れ、打ち解けてきたある日、彼女から「先生、お母さんが新しい彼氏を家に連れてきて、その人に家を追い出されちゃった。今おばあちゃんの家に住んでるんだ。」と聞き、衝撃を受けました。私は表面的な点数や行動だけで彼女のことを分かったつもりになり、否定的に見ていたことに気づき、とても恥ずかしい気持ちになりました。彼女が直面する現実を目の当たりにし、私が今まで当たり前だと思ってきた生活は、当たり前ではなかったと気づかされました。このような現状に対する激しい憤りと違和感や、彼女が抱える困難に気づけなかった、子どもと本気で向き合っていなかった自分に対する悔しさが、LFAに参加した理由です。

 

・LFAに参加する前と今で一番変わったのはどのようなところですか?

 子どもが置かれている環境について、当事者意識を強く持つようになりました。

 私は、子どもたちのためになりたい、現状の社会を変えていきたいという気持ちでLFAの活動に参加しました。しかし今考えるとこの動機は、「かわいそうだから助けてあげたい」という、どこか上から目線な態度から来ていた気がします。それは、自分と子どもたちとの間に境界を引いているようなもので、悪くいえば他人事です。 「他人事」だった私にとって転機となったのは、一時的に塾で別の子を担当したことです。その子は妹と比較され、親からも否定的な言葉を受け続けながら育った子でした。そして何より悲しかったのが、素敵な夢を持っているのに、どうせ否定されるからといって、誰にも教えずに頑なに夢を隠し続けていたということです。 そんな彼女に対して私は、彼女の存在を肯定し続け一生懸命に向き合いました。LFAで培ったスキルも駆使し、彼女の変化を絶対に諦めませんでした。すると最後には私に夢を教えてくれ、高校で夢のために頑張る、と強い眼差しで語ってくれました

 この経験から、向き合う人がいれば子どもは確実に変わるということを学びました。そして、LFAが支援する子どもでも、そうでなくても、目の前の子ども一人ひとりに向き合うことこそが、課題を1つずつ解決し着実に「教育格差を終わらせる」というビジョンに近づいていくことなのだと実感しました。

 自分の背負う使命感をより強く意識し、現状課題を抱えている子に対して全力で向き合う。そして、子どもの変化を自分の自信に変えていく。こうやって他人事を自分の事のように捉えることができるようになったことはとても大きな変化だと思います。

・LFAで活動する中で、一番印象に残っている出来事を教えてください

 私は昨年度の冬期プログラムで、中学1年の子ども3人を担当しました。プログラム終了時に「先生のおかげで勉強が楽しくなって、学校の授業も意欲が湧くようになった」、「こんなにできるようになったのは先生のおかげで、感謝しかない」といった言葉を担当生徒からもらいました。

 私は今まで自分に自信がなかったのですが、「自分はできる」と思えるようになりました。そんな嬉しいことがあった反面、大きな後悔も残りました。担当した1人の生徒が、9回の指導のうち最終日を含む3回の指導日を欠席してしまったのです。休んでしまった背景には様々な事情がありましたが、私はそれを後から知りました。

 今までは、困難を抱える子どもが支援に繋がることや、支援につながった後、長期的にその子どもの変化を見届けていけることは当たり前のことのように感じていました。しかし、つながりが途切れてしまったら私たちボランティア教師にはなす術がなく、子どもたちをその先ずっと綱渡りのような状態に置いてしまうことになると気がつきました。

「もっと早くから気づいてあげられていれば…」と、ただただ後悔ばかりが残りました。

 この経験から私は、今支援に繋がっている子どもたちが抱える課題を絶対に見落とさず解決したい、そして私が子どもたちからもらった大きな自信を、今度は私が子どもたちに届けてあげたいという、強い当事者意識と決意を抱くようになりました。

・LFAで達成したいことは何ですか?

 出会った子どもたち全員に確かな学力と、「自分はできる」、「自分が好きだ」という気持ちを届けることです。

 LFAが支援している子どもは学習の遅れが著しく、家庭の複雑な事情も影響し、自己肯定感が低い子が多いです。課題のレベルは様々ですが、いずれにせよ子どもたちはいつか寺子屋(LFAの学習支援教室の名称)の手から離れていきます。だからこそ、子どもたちが自分の力で、自分の意思で選択した人生を歩んでいけるように支えることが私たちの役目だと考えています。そのために、分からなかったことが分かるようになり、できるようになる、という成功体験を通じて自己肯定感を高め、自走できる力を届けたいと思います。

・最後に、参加を迷っている学生に一言お願いします!

 私はプログラムに応募した時点でバイトを3つ掛け持ちしており、正直、LFAの活動との両立は厳しいと感じていました。そんな状況でも続けられたのは、メンターの方々のサポートはもちろん、LFAに関わる大人たちが子どものことを一生懸命に考える姿に背中を押されたことが大きいですそして、何より子どもたちと会うのが本当に楽しくて、LFAで活動する時間が大好きな時間になりました。子どもに真剣に向き合う素敵なLFAの学生の仲間や、子どもに出会ってほしいですし、学生時代にLFAのプログラムに参加することは一生の糧になると思います。夏の5日間だけでも、プログラムに参加してみませんか?

 


■社会課題に挑む、学生ボランティア・インターン募集中!
Learning for All では学習支援居場所支援の2つのプログラムで参加学生を募集中です。プログラムへの関わり方もボランティアとインターンの2種類ご用意しています。
まずは以下の画像から、子どもの貧困やLFAの事業内容・プログラムについて説明した動画をご覧ください。

■参加を迷っている学生向けのLINE@やってます!
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■マンスリーサポーター募集中!
Learning for All ではサポーターを募集しております。
1,000円の寄付で子ども1人に1時間の学習支援が届けられます。
皆さまのご支援が、子どもたちの学習機会の拡大につながります。
皆さまのご寄付は、一人ひとりの子どもたちの未来を作っていきます。
ぜひ、子どもたちの未来を一緒に応援してください。

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Learning for All では月に4回、メディアの情報だけではわからない「子どもの貧困」の実態やLFAの活動について紹介するイベントを開催してます。子どもたちの明るい未来を支えるため、私たちに「今、できること」を一緒に考えましょう。

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