HOME > トピックス > お知らせ > 【代表登壇レポート】熱い情熱と冷静な思考で「子どもの貧困」の連鎖を食い止める。Learning for Allが目指す新しい子ども支援の未来像

お知らせ

TOPICS

【代表登壇レポート】熱い情熱と冷静な思考で「子どもの貧困」の連鎖を食い止める。Learning for Allが目指す新しい子ども支援の未来像

2018.12.3

11/21(水)、Learning for All 代表の李が「マザーハウスカレッジ」にスピーカーとして登壇させていただきました。株式会社マザーハウスの山崎様との対談で、李の幼少期から現在に至るまでの人生、そして今後の展開を話しました。この記事ではその一部を紹介させていただきます。


期待をかけてくれる大人との出会い

私は関西の生活困窮世帯が多い地域で生まれ育ちました。私の小学校の同級生39人の中で大学に進学したのはたったの3人。そうした環境の中で私の人生の転機になったのは、小学校6年生のときに出会った先生でした。その先生は、「君は東大に行く力がある」と言って、私に中学受験をさせるよう私の親を説得したのです。そうして私は私立の中高一貫校に通うことになりました。中高時代も、先生方が手厚くサポートしてくださり、私もその期待に応えようと必死に勉強して、東大に合格することができました。

「努力しなかったやつが悪い」のか?

晴れて入学した東大では、楽しい日々を過ごしていました。しかし、成人式で地元に戻ると、20歳で子ども3人を持ちシングルマザーになっている同級生などと再会。東大で出会う人とのギャップに衝撃を受けました。さらにショックだったのは、それを東大の友人に話すと「努力しなかったやつが悪い」と言われたことでした。努力したくてもできない状況をを生み出している社会構造にこそ問題があるのに、個人に責任が帰せられ、その結果「階層」が固定化されてしまうことにやるせなさを感じ、生きる意味を見失いました。

社会は「変えられる」!

生きる意味を見失っていた私でしたが、教育哲学を学ぶ中で、貧困、格差の問題は社会の中で「つくられた」ものであるから、「変える」こともできるのだと気づきました。大学で教育哲学の学びを深める一方で、理論だけではなく現場を経験することも必要だと考え、現認定NPO法人Teach for Japan の一事業であったLearning for All の活動を始めました。活動に参加した当時の現場は、子どもたちに変化を届けられるレベルまで仕組みが整っていなかったので、私は現場責任者となり、地元の塾の塾長に都立高校入試の仕組みを徹底的にヒアリングしたり、研修や採用の仕組みを整えたりと現場づくりに奔走しました。そこまでできたのは、環境を整えさえすれば子どもはきちんと自分の可能性を拡げるということを、現場の子どもたちが示してくれたからです。

「学習する組織」であり続ける

大学院に進学して3か月たった時、Learning for All の学習支援事業を、Teach for Japan から独立させることが決まりました。起業の知識が全くないところからのスタート。苦労の連続でした。それでも今、こうして組織として拡大できているのは、当初から「学習する組織」であることを大切にしているからだと思います。Learning for All では、メンバーの一人ひとりが、「自分の価値観や大切にしていることは何か」「自分はなぜその行動をとったのか」を定期的に振り返っています。そうすることで、自分がどのように変われば周りも変化するのか、一人ひとりが学んでいくことができます。これは、子どもたちにきちんと結果を届けることにつながっていると思います。組織が大きくなり、新しい挑戦を続ける中でも大切にしていきたい組織文化です。

■「上から」と「下から」のアプローチ

私たちは活動当初から、子どもに届ける支援の質に徹底的にこだわっています。現場に立つ学生教師は、合計50時間の研修を受け、個別の指導案と教材を用意して指導に臨んでいますし、指導後には必ず拠点スタッフと振り返りを行います。こうした目の前の子ども一人ひとりを変えていく「下から」アプローチとともに、「上から」のアプローチにも取り組んでいます。困難を抱える子どもたち全員が適切な支援を受けられる社会にするためには、地域の中で支援を必要としている子どもを見つけ、適切な機関につなげ、最適な支援をするという一貫したシステムが必要だと考えています。そのシステムを「子ども支援の生態系モデル」と名付け、実際にLFAが活動している地域でつくり始めています。そして将来的には、全国に展開していくことを考えています。


山崎様との対談のあとは参加者の皆様から、たくさんのご質問をいただきました。Learning for All の活動についてはもちろん、これからの教育や福祉のあり方について活発な意見交換を行うことができました。お招きいただいたマザーハウスの皆様、そしてイベントにご参加いただいた皆様、誠にありがとうございました。


■社会課題に挑む、学生ボランティア募集中!
Learning for All では学習支援のボランティア教師、子どもの家のボランティアスタッフを募集しています。まずは採用説明会にお越しください。プログラムの詳細・説明会日程は以下の画像からご覧ください。

■参加を迷っている学生向けのLINE@やってます!
説明会日程やブログ更新の情報配信のほか、プログラム参加に関する個別相談も対応しております。

■マンスリーサポーター募集中!
Learning for All ではサポーターを募集しております。
1,000円の寄付で子ども1人に1時間の学習支援が届けられます。
皆さまのご支援が、子どもたちの学習機会の拡大につながります。
皆さまのご寄付は、一人ひとりの子どもたちの未来を作っていきます。
ぜひ、子どもたちの未来を一緒に応援してください。

■社会人向け活動説明会開催中!
Learning for All では月に4回、メディアの情報だけではわからない「子どもの貧困」の実態やLFAの活動について紹介するイベントを開催してます。子どもたちの明るい未来を支えるため、私たちに「今、できること」を一緒に考えましょう。

■職員募集中!
Learning for All では、一緒に働く仲間を募集しております。

関連記事


Warning: urlencode() expects parameter 1 to be string, array given in /home/xs777853/learningforall.or.jp/public_html/cms/wp-includes/formatting.php on line 5460

2021.4.15

【職員採用】子どもを支える地域づくりを担うソーシャルワーカー(社会福祉士)を募集中!

2021.4.6

【LFAサポーターインタビュー vol.12】「目をキラキラさせて僕は/私はこうなりたいと言える社会に。人に投資することで社会は発展する。」

2021.3.30

【学生スタッフインタビュー】目の前のその子が歩む人生の一部として、自分にできることを考えるようになった