【現場からのストーリー:日本オラクル株式会社のオフィス訪問】

イベント・活動説明会

こんにちは、Learning for All (以下、LFA)コミュニティ推進事業部です。
春のあたたかさが感じられ、桜の開花も近づいてきました。そんな3月下旬、LFAの居場所拠点に通う子どもたち11人が、日本オラクル株式会社のオフィスを訪問し、様々な活動に挑戦しました。

ご協力いただいたのは日本オラクル株式会社のボランティア(以下、オラクルボランティア)の皆さま。”家庭や環境によって子どもたちの学びや体験の格差が生まれない社会”を目指すLearning for All のビジョンに共感したオラクルボランティアの皆さんは、「子どもたちにいろいろな体験をしてほしい」という思いのもと、有志の社員が集まって、毎回様々な工夫を凝らしてイベントを設計してくださっています。
この日のイベントでは、「共生社会*」というテーマに基づいて、ボッチャ体験とスマートシティワークショップという2つのアクティビティを行いました。
*共生社会とは:誰もが相互に人格と個性を尊重し支え合い、人々の多様な在り方を相互に認め合える全員参加型の社会のこと

オラクルボランティアの方が「共生社会」について教えてくださいました。

①ボッチャ体験

まず初めに子どもたちが行ったのはボッチャ体験。ボッチャはジャックボール(目標球)と呼ばれる白いボールに赤・青のボールを投げて、どれだけ近づけられるかをチームごとに競うスポーツです。パラリンピックの正式種目でもあるボッチャですが、子どもたちの中にはすでに学校でボッチャを経験している子もいました。

今回のボッチャ体験の目的は、ハンディキャップの有無に関わらずお互いに手助けをし、支え合う経験をすることにあります。この目的を達成するために、オラクルボランティアの方が考えてくださったオリジナルルールのもとで、子どもたちはボッチャをプレーしました。今回、オリジナルで加えられたルールは次の2つ。1つ目は、子どもたちそれぞれが視界や身体の一部などに異なる不自由さを抱えた状況でボッチャを行うということ。2つ目は、他の子の手助けをする際には、「何かお手伝いは必要ですか?」と一言声をかけることです。2点目のルールは相手が必要としている手助けの内容を把握するため、また時には手助けが不要な場合もあるため、設けられました。子どもたちはお互いに声をかけあいながら協力してボッチャを楽しんでおり、また良いプレーが出た時には「すごい!」「上手い!」などお互いに褒め合っている様子も見られました。

足が不自由な条件下でプレーする子どもを同じチームの子どもがサポートし、協力してボッチャをプレーする様子

②オラクルボランティアの方とのランチ

ボッチャ終了後は、お昼ご飯の時間。オフィスの食堂に移動して、高層階からの景色を楽しみながらみんなでお昼ご飯をいただきました。また、早くご飯を食べ終わった子どもたちのために、オラクルボランティアの方が双眼鏡を使って外の景色を見るアクティビティを用意してくださっていました。お昼の時間を有意義に過ごせていたようです。配膳時のお礼や食後の「ごちそうさま」もしっかり言うことができ、マナーを守って楽しく食事ができました。

 

③スマートシティワークショップ

そして最後に行ったのが、スマートシティワークショップです。スマートシティワークショップとは、日常における様々な困難や問題を発見し、それに対する解決方法を自由に考えるワークショップです。オラクルボランティアの方が準備してくださった地図には、様々な課題が描かれており、そこにある課題を見つけながらどのような困難が隠れているのかを考えます。そして「ごみのポイ捨てを防ぎたい」や「病院が遠くて行けない人がいる」など、日常に潜む様々な課題に対してどのようにすれば解決できるのかを話し合いました。子どもたちは自由に斬新な解決策をたくさん考えていました。また、アイデアをたくさん思いつく子やそのアイデアをイラストに書き表している子など、各々が得意な分野で協力し合いながらワークを進めていました。

最後には、子どもたちが一人ずつ自分のアイデアを発表する時間もありました。発表者は他の子どもたちやオラクルボランティアの方から「頑張って!」「おつかれ!」などの声援を受けながら、緊張しつつも堂々と自分のアイデアを共有することができました。子どものアイデア一つ一つに対しては、オラクルボランティアの方がコメントをしながら褒めてくださり、子どもたちも嬉しそうな様子でした。

オラクルボランティアの方に見守られながら自分が考えたアイデアを他の子どもたちの前で発表しました

今回のボッチャとスマートシティワークショップ体験を通じて、子どもたちは「共生社会」についての理解を深めることができました。「共生社会」という言葉だけではその意味を完全に理解することは難しいですが、アクティビティを通して「すべての人々が心地よく過ごせる社会を実現すること」を体感したことで、子どもたちの意識の中に「共生」という概念が芽生えたのではないかと思います。

企業のオフィスという、いつもとは異なる場所でのアクティビティを楽しみながらも、子どもたちの成長につながるような学びを得られた、充実した一日となりました。「イベントを通じていろいろなことを体験してほしい」というオラクルボランティアの皆さまの思いが、子どもたちにもしっかり伝わっていると思います。

オラクルボランティアの皆さま、本当にありがとうございました!