地域で子ども包括支援を行う団体への助成プログラム 第2回「ゴールドマン・サックス 地域協働型子ども包括支援基金」 4団体へ総額2,400万円の助成を決定
~地域で子どもと出会い・繫がり・支える「子ども包括支援」を実現するための運営強化・改善と組織基盤強化を応援します~
「子どもの貧困」の本質的解決に取り組む認定NPO法人Learning for All (以下、LFA)は、地域で子ども包括支援を行う団体への助成プログラム「ゴールドマン・サックス 地域協働型子ども包括支援基金」の第2回目の助成先が決定したことをお知らせします。今回は4団体へ総額2,400万円の支援が決定しました。
■「ゴールドマン・サックス 地域協働型子ども包括支援基金」採択結果
今年5月7日から約1ヵ月の募集期間に、全国の65団体から応募いただきました。
団体が活動する地域の子どもを取り巻く環境・課題の分析や事業内容、こども支援実績、そして団体として掲げる将来像などをもとに選考を行い、初年度は4団体へ総額2,400万円の支援をこのたび決定しました。助成内容の詳細は後述の「ゴールドマン・サックス 地域協働型子ども包括支援基金」の公式HPをご覧ください。
助成先に決定した4団体は下記の通りです。(五十音順)
- 一般社団法人うみのこてらす 様(徳島県海部郡牟岐町)
- 一般社団法人 えんがお 様(栃木県大田原市)
- 認定特定非営利活動法人 こども∞感ぱにー 様(宮城県石巻市)
- 特定非営利活動法人 ヒミツキチ 様(宮崎県宮崎市)
◾️地域包括型支援の概要とプログラムにかける想い
2010年に学習支援からスタートしたLFAですが出会った子どもの課題やニーズに応えながら「学習支援」や「居場所づくり」「訪問支援」など、その地域のその子どもに合った形で支援を提供してきました。活動のなかで、子どもの抱える課題が顕在化・重篤化してから支援に繋がるケースや、LFAだけでは対応できない複合的な困難を抱える子どもと多く出会ってきました。
そこで2018年からは地域のあらゆる立場の大人たちがネットワークを作り、6〜18歳の支援が必要な子どもを見過ごさず、早期につながり、成長段階に合わせた必要なサポートを行う「地域協働型子ども包括支援」を展開しています。
この「地域協働型子ども包括支援」を通じて
- 子どもを切れ目なく見守り支える地域は、1組織の力で作られるものではなく、大人ひとりひとりの取り組みが重なり繋がっていくことで初めて実現できること
- 地域に根づいて活動している実践者が、その地域に適したやり方を試しながら他の地域の実践者たちと連帯し、学び合うこと
これらが不可欠であると感じ、2021年にゴールドマン・サックス様、パブリックリソース財団様とともに助成プログラムを立ち上げました。行政や学校との連携を密に図りながら、民間の地域ネットワークを活用することで、その地域に合わせたやり方を試し、新たな課題が見つかればまたやり方を変える、といった試行錯誤をしながら、その地域に適したやり方を作っていくことの大切さを学びました。実際に数多くの挑戦が実を結び、子どもたちや地域に様々な変化が起こりました。
この「地域協働型子ども包括支援」の実践がさらに広がっていくことを目指し、第2回の助成では2024~2026年度の3年間で、4団体に対して7,200万円の助成を行う予定です※。助成先団体が活動する地域で生まれる新たな「地域協働型子ども包括支援」の在り方をLFAもともに学び、次の実践者に伝えていきたいと考えています。そして子ども達が早期に適切な支援に繋がることができる地域が全国に広がっていくことを願っています。
※助成金額は支援団体数・支援内容によって変動する可能性があります。
◾️代表・李 炯植(り ひょんしぎ)よりコメント
1990年、兵庫県生まれ。東京大学教育学部卒業。東京大学大学院教育学研究科修了。2014年に特定非営利活動法人Learning for All を設立、同法人代表理事に就任。経済的困窮、家庭環境などをはじめ、様々な困難を抱えた子どもへの無償の学習支援や居 場所支援を行っている。全国子どもの貧困・教育支援団体協議会 副代表理事。2018年「Forbes JAPAN 30 under 30」に選出。2022年「内閣官房のこどもの居場所づくりに関する検討委員会」の検討委員に選出。
私たちは、子どもたちへの包括的支援を地域と連携して進める実践者を応援するため、ゴールドマン・サックス様およびパブリックリソース財団様と共に「ゴールドマン・サックス 地域協働型子ども包括支援基金」を立ち上げました。この基金を通じて、全国各地で支援モデルが根付き、困難を抱える子どもたちが早期に適切な支援に繋がることを目指しています。
私たちの活動は、地域の実践者同士が互いに学び合いながら、支援の輪を広げることを期待しています。地域特有のニーズに応じた支援を実施することで、子どもたちが安心して成長できる環境を整えていくことが重要です。
今回、第2回の助成プログラムを通して「地域協働型子ども包括支援」の取り組みがさらに多様な地域に、そして多様な担い手によって広がることを心から願っています。
■「ゴールドマン・サックス 地域協働型子ども包括支援基金」について
本基金は、全国で子ども支援を行う団体へ資金はもちろん、研修や伴走支援などの非資金的なアプローチの両面からサポートをする助成プログラムです。
LFAは2014年の活動開始から困難を抱える子どもや家庭に向き合う中で、既存の子ども支援政策やNPO等の支援だけでは子どものニーズを質量ともに満たすことが難しいと考えてきました。
そこでLFAがモデルづくりを進めてきた「地域協働型子ども包括支援」のノウハウをもとに、全国で同じように子ども支援に関わる団体の活動を応援・推進したいと考え、ゴールドマン・サックス様、パブリックリソース財団様のご協力を得て2021年に発足したのが、本基金です。助成概要、過去の助成実績などの詳細は、以下の公式HPをご覧ください。
- 「ゴールドマン・サックス 地域協働型子ども包括支援基金」 公式HP:https://learningforall.or.jp/gschildfund/#kikin
- パブリック・リソース財団のプレスリリース:https://www.public.or.jp//post/20241015