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子どもたちの現状

CURRENT STATUS

貧困や格差の問題は、途上国の問題という
印象が強いかもしれません。
しかし日本にも、様々な困難によって
将来の可能性を制限された
“しんどい子どもたち”がいます。
わたしたちの教室に実際に通っている
子どもたちのエピソードを紹介します。

小学2年生のMくんの場合

ひとり親世帯の小学校2年生の男の子。家庭の養育能力が低く、歯磨きや入浴など基礎的な生活習慣が身についていません。学校の健康診断で虫歯が見つかったものの、数ヶ月間治療ができない状況が続いています。1年以上の学習の遅れも見られ、特別支援学級を利用しています。感情のコントロールをすることが難しく、嫌なことがあると、友達を叩いたり、かんしゃくを起こしてしまいます。

中学2年生のOさんの場合

生活保護世帯で母子家庭の中学2年生の女の子。算数の九九からつまずきを抱えています。経済的に塾に行く余裕がなく、学習の遅れを解消できずにいます。
また、母親が仕事で家を空けることが多く、家事の手伝いが必要なため、家で勉強する時間が取れません。勉強をしたくてもできる環境になく、「どうせ自分はバカだから、何をやってもできない」と自信を失ってしまっています。

中学3年生のHさんの場合

外国籍の中学3年生の女の子。教室に通い始めたとき、片言の日本語しか話せませんでした。母親は日本語が読めず、学校や受験に関する書類の対応ができません。
また、昼夜逆転した生活で小学校のときから不登校が続いていました。学力の遅れも大きく、分数の通分ができないような学力。このままでは、高校に進学できるかも不確かな状況です。

支援が必要な子どもたちは
どのくらいいますか?

7人に1人の子どもが、
「貧困」状態にあります。

この割合は2012年より
少し減少したものの、
OECD諸国の中では平均より高く、
日本全体では、
約280万人にも上ります。

(出典:2015年厚生労働省調査)

より詳しく「貧困」の定義とは?
どのような暮らしなのですか?

上記で算出されているのは、日本における貧困線(等価可処分所得の中央値の50%)以下の所得で暮らしている17歳以下の子どもたちの人数です。たとえば親子2人世帯(ひとり親世帯)の場合、月約14万円以下で暮らしている子どもたちを指しています。この金額では最低限の食・住は満たす事が出来ても、子どもの教育や将来への投資に充てる余裕はありません。

出典:公益財団法人あすのば「子どもの生活と声1500人アンケート」2017

この子どもたちに
支援をしないとどうなりますか?

貧困の連鎖

家庭の経済格差が、子どもの教育格差に繋がり、子どもの貧困が連鎖してしまいます。

1. 経済格差と教育格差

また、貧困世帯の子どもたちは、低学年のうちには大きな学力差がなくても、
学年があがるにつれ他の世帯の子どもたちより遅れが出てしまう
ことが
調査によって明らかになりました。

【国語】の
経済的に困窮していない
世帯の子どもと
生活保護世帯の偏差値の推移

【算数・数学】の
経済的に困窮していない
世帯の子どもと
生活保護世帯の偏差値の推移

出典:日本財団「家庭の経済格差と子どもの認知・非認知能力格差の関係分析」(全文)(PDF / 3.5MB)

これは、他の子どもたちのように塾に通わせる余裕がないことや、
落ち着いて勉強できる家庭環境がないこと、そしてより低年齢のうちに家庭で培われる
生活習慣や基礎的な学習力の不足(※)などの影響が示唆されています。
子どもたちの自助努力だけでは、これらの差を挽回することは大変難しい状況です。

※貧困世帯の子どもたちの
複雑な課題

子どもたちの将来に影響する能力として、重要な要素がふたつあると言われています。一般的に知られている能力は「認知能力」です。「認知能力」とは、IQや学業達成など、学力テスト等で測定可能な能力です。
もう一つの重要な能力が「非認知能力」です。「非認知能力」とは、自己肯定感や自己有用感、自制心、勤勉性、外交性、協調性など、生きていく上で大切なその他の能力です。

米国では「非認知能力」の差が、「認知能力」の差にも時間差で影響を与えているという調査結果があり、(Chunha and Heckman (2008))子どもたちへの教育支援における「非認知能力」への関心が高まっています。日本でも、貧困世帯の子どもたちは、「認知能力」だけでなく「非認知能力」の獲得に困難があることがわかっています。(2017年10月『家庭の経済格差と子どもの認知・非認知能力格差の関係分析』公益財団法人 日本財団)
低学力になりやすいだけでなく、朝食が食べられない、がんばっていることがない、相談相手がいないなど、心身ともに健やかに、自信を持って生きていくために必要な要素も奪われてしまっている子どもたち。生活習慣にまで踏み込んだ、より低年齢からの包括的な支援の必要性が訴えられています。

2. 進学格差

学力の格差は、進学面での格差にもつながっています。

(出所)生活保護世帯の子は厚労省 社会・援護局保護課調べ(平成28年4月1日)、全世帯については平成28年学校基本調査
※大学等には専修学校等を含みます。

3. 将来の収入格差

高卒者の月額賃金は、大学・大学院卒の6割程度。最終学歴によって、最大で男性は約8000万、女性は約1億の生涯年収の差があります。進学格差が将来の収入格差にもつながるのです。

社会的損失

子どもの貧困の放置で生まれる
経済損失「約43兆円」

子どもの貧困問題は、自分にはあまり関係がないと思う人もいるかもしれません。
しかし、貧困状態にある子どもたちがそのまま大人になると、生み出す所得が減るため、日本の経済規模は大きく縮小。それに伴い、政府の税収や社会保険料収入も減少します。加えてそうした人が失業した場合、生活保護や失業給付、職業訓練といった政府の支出=私たちの税負担は増えることになるのです。

(出典)日本財団子どもの貧困対策チーム(2016)『徹底調査 子供の貧困が日本を滅ぼす社会的損失40兆円の衝撃』(文春新書)より作成。「所得」は貧困世帯の子ども約260万人が一生涯で得る所得金額を示している。また、「税・社会保障の財政収入」には同じく貧困世帯の子ども約260万人について、一生涯で政府に収める税・社会保険料負担額から、政府から受け取る社会保障給付額を差し引いた金額を示した。

私たちにできることはなんですか?

  • 子どもの貧困は私たち全員の問題だという当事者意識を持つこと
  • ニュースやブログを読んで課題をシェアすること。
  • 子どもたちの問題に取り組む団体のサポーターになること。

今アクションを起こすことが、子どもたちの未来を変え、日本の未来を変えていきます。
ひとりひとりに合った質の高い支援を続けていくことで、子どもたちの人生は確実に変わります。

LFAでは現場の様子や
学生インタビューなど、
FacebookやTwitterで
情報発信しています。

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私たちLearning for Allの学習支援事業では、2012〜2017年に地域連携プログラムに参加した中学3年生全員が高校に合格。参加生徒のほとんどが学習を遅れを取り戻すことに成功しています。また学習面だけでなく、「大人と接するのが怖くなくなった」「自分に自信が持てた」「将来の夢を見つけた」など、前向きに自立して生きていくために必要な力も身についたという声が寄せられています。

私たちの活動は、
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社会課題の解決を
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