LFAの活動
子どもたちの現状
「今の日本で、本当に貧困が広がっているの?」
そんな疑問を耳にします。
私たちの活動を知っていただくには、
まず、問題を知っていただく必要があります。
日本の子どもたちは、あなたが思う以上に
経済的な困窮に直面しており、
それが原因で社会から疎外されてしまっています。
日本の子どもの9人に1人が
「貧困」状態にあります。
ひとり親世帯に限ると、約2人に1人が貧困状態。
(世界的にみても極めて貧困率が高い)
小学校・中学校における
不登校児童生徒数は増え続け、
過去最多の約30万人ととなっています。
(出所)文部科学省「児童生徒の問題行動等生徒指導上に諸問題に関する調査」
児童虐待相談対応件数は
年間21万件以上。
特に2009年以降、右肩あがりに増加を続けています。
(注1)2010年に関しては、福島県、宮城県を除いた数値となっている。(注2)2019年の値は速報値であり、今後変更があり得る。(出所)厚生労働省「福祉行政報告例」および、厚生労働省「令和元年度 児童相談所での児童虐待相談対応件数<速報値>」
日本語指導が必要な外国籍の
子どもも
増え続けています。
(注)義務教育中は2016年度に創設された学校教育制度のため、2014年以前のデータはない
(出所)文部科学省「日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査」より作成
問題は、金銭的な意味での貧困だけではありません。
私たちは子どもが直面しているあらゆる
「貧」と「困」の解消に取り組んでいます。
LFAの支援拠点に通う
子どもの一例
小学生3年生 Aさん
6人の兄弟と共に、生活保護を受けて暮らしているAさん。両親は病気がちで働いておらず、ご飯を作ってもらえないこともあります。空腹で授業に集中できず、わからなくなってしまうことが増えていました。毎日同じ服であることや、兄弟のことをからかわれ、学校の友達と喧嘩になってしまうことも。
16歳 Dさん
母子世帯で暮らすDさん。お母さんは家計のために深夜まで働いています。定時制高校に進学しましたが、バイトと学校の両立が難しく、中退。不登校の弟二人を、家事をして面倒を見ています。高校へ通いたい気持ちはありますが、中学時代のいじめのトラウマも。今後の進路について、誰にも相談できる人がいません。
不登校、虐待、ネグレクト、マイノリティなど、
複雑な要因が絡み合う現代の問題。
それらを根本的に解決するには、
社会全体に働きかける必要があります。
3つのアプローチ
今、目の前にいる子どもに
どこまでも寄り添い、支え抜くこと。
一つの団体ではできない大きなうねりを生み出し、
社会の構造そのものを変えていくこと。
その両方を実現しなければ本当の意味で
問題を解決することはできません。
私たちは、現場のリアルな知見を社会に
広げていく3つのアプローチで、
子どもたちの未来をつくっています。
一人に寄り添う
居場所づくり/学習支援
食事支援/保護者支援
コミュニティ連携
仕組みを広げる
ノウハウ展開/ノウハウ共有
社会を動かす
普及啓発/人材育成
政策提言
一人に寄り添う
「地域協働型子ども包括支援」の
実践
地域のあらゆる立場の大人たちの
ネットワークをつくり、
支援の必要な子どもを
見のがさず、早期につながる。
成長段階に合わせ、
必要なサポートを6〜18 歳まで切れ目なく行う。
そんな「地域協働型子ども包括支援」を展開しています。
※ネットワークは一例
※SC:スクールカウンセラー
SSW:スクールソーシャルワーカー
従来のタテ割り的な支援では、
たとえば地域の一人の大人が
「この子、大丈夫かな」と問題に気づいても、
その情報を地域全体で共有できず、
スピーディーかつ適切な支援が
行えないことがありました。
私たちLFAがすべての
関係者・組織をつなぐことで、
「見守る目」の行き届かない子をなくし、
一人ひとりに合わせた支援を早期から、
かつ自立できる年齢まで、
継続的に提供し続けることができます。
仕組みを広げる
「地域協働型子ども包括支援」の
全国展開
現在の日本では、子ども支援に関わる
人・団体の努力にも関わらず、
支援の「量」「質」ともに
まだ足りていないのが現実です。
LFAでは、これまで培ってきた実践的な支援の
ノウハウを
全国の子ども支援団体や企業に提供。
日本中の子ども支援者がつながる
ネットワークづくりにも取り組むことで、
「地域協働型子ども包括支援」の
全国展開を推進しています。
社会を動かす
子どもたちを取り巻く社会構造
そのものを変えるために
目の前の子どもにどこまでも寄り添う。
その重要さは疑う余地がない一方で、
問題を真に解決するためには世論の形成や、
社会の仕組みを変えていく必要があります。
LFAは現場での支援活動や、
全国の
子ども支援団体とのネットワークづくりを通して、
課題の普及啓発・人材育成・政策提言に
取り組んでいます。
活動の主な成果
子どもたちの抱えている課題は複雑で、
すぐに全てが解決できる訳ではありません。
そんな中でも、日々の活動の中で見えてくる
支援の成果の一部をご紹介します。
より詳細に知りたい方は、
「活動報告書」をご参照いただくか、
社会人向け説明会にぜひお越しください。
子どもの声
いつもありがとうございます。わたしはLFAのおかげでいまは日本ごがいえたりかいたりできるようになりました。ほんとにありがとうございます。これからもよろしく!!
先生たちがこんなに熱心にかかわってくれるのに、自分ががんばらなくてどうするんだ! と思った。大学生になったら、LFAで教師をやりたい。
Learning for Allは自分みたいに不登校の子たちに来てほしい。その子たちの強み、暗記力とかの特技を伸ばす場所であってほしい。
保護者の声
今まで相談する場が少なく、ママ友さんも皆様年上の方ばかり、子どもが安心して遊べる場所もありませんでした。(LFAの支援拠点名)の皆様、子ども達に出会い、私自身又娘も集団の中で、自分のペースに合った取り組みに、とても満足しています。
学校以外での勉強のフォローは、もちろん家庭でも行っていますが、(LFAの支援拠点名)でサポートがあることで負担感が和らぎます。また、通常の塾に行かせるには色々な面でハードルが高く、保護者としてとても助かります。
「地域協働型子ども包括支援」の導入によって、
地域の子ども支援者の方々が、
互いに連携しやすくなったと答えています。
民生児童委員より
かつては学校との情報共有は密でしたが、だんだんと個人情報の取扱などの問題から、学校と情報を共有することが難しくなっていました。そうした中で、学校内で学習支援活動を行っていたLFAと出会ったこと、また校長先生の尽力のおかげで、包括支援プロジェクトを立ち上げることになりました。包括支援プロジェクトというプラットフォームができたことで、学校側も情報共有を行う契機になり、それ以降、再び必要な情報が共有されて活動がしやすくなりました。
居場所支援NPO職員より
支援者のネットワークに入ることで、情報も得られるし、自分たちの活動も知ってもらえるようになりました。ネットワークに加入することで、自分たちの活動の周知にも繋がりました。保護者の方から相談を受けたときに、断るのではなく、他の団体でも紹介することができるようになりました。
スクール・ソーシャルワーカーより
定期的に居場所拠点に訪問して、子どもの様子をみています。特に、学校には来れないが拠点には来ている子どもがいるので、そうした子どもの様子を安否確認という意味も含めて確認しに行っています。