【現場からのストーリー:世界に一つだけのオリジナルトートバッグを作ろう!】

イベント・活動説明会

こんにちは、Learning for All (以下、LFA)コミュニティ推進事業部です。
太陽が照り付ける厳しい暑さの日々は、まだまだ続きそうですね。そんな夏真っ盛りの8月上旬、LFAの居場所拠点に通う子どもたち5名がオリジナルトートバッグづくりに挑戦しました。

バッグづくりを教えてくれたのは日本オラクル株式会社のボランティア(以下、オラクルボランティア)の皆さま。Learning for All のビジョンをご理解いただき、長きにわたって活動を応援してくださっています。オラクルボランティアの皆さまは、「子どもたちにいろいろな体験をしてほしい」という思いのもと、有志の社員が集まって、子ども達が新しいことを経験したり学んだりする機会になるようなイベントを実施してくださっています。これまでにもその時期の行事などに合わせ、工夫を凝らしたハンドクラフトのイベントを多数行ってきました。
この日のワークショップでは、子どもたちはまず夏の季節行事である「お盆」について学びを深め、その後は夏休みの工作としてオリジナルトートバッグの制作に打ち込みました。

お盆についてのレクチャーを受けている様子

この日のワークショップは「思い出ってなんだろう?」と題した日本のお盆についての学習からスタート。子どもたちは、日本の伝統的な行事であるお盆がどのような行事で、どのような意味があるのかを講義を通じて学びました。他にもベトナムや韓国、メキシコなど世界各国のお盆についても説明していただき、それぞれの国のお盆にどのような特色があるのかを知ることができました。映画『リメンバーミー』の舞台となったメキシコの「死者の日」も日本のお盆とよく似た行事であるという内容に子どもたちは特に関心を持っていました。また、子どもたちは、お盆に関する説明を聴きながら、「亡くなった方がこの世に帰ってくる」ということをそれぞれの価値観で自分の中に落とし込み、理解している様子でした。

さらに講義内ではきゅうりとなすで作られた飾りが何を表しているのか?というクイズも。このクイズを通じて、子どもたちはきゅうりが馬、なすが牛に見立てて飾られる精霊馬(しょうりょううま)という慣習の存在を知り、なぜ馬と牛に見立てられるのかの理由について理解を深めました。この精霊馬という慣習を今回初めて知った子どももおり、子どもたちは興味津々に話を聴いていました。近年では精霊馬の慣習を実際に行う家庭も少なくなってきているため、今回の学習は子どもたちにとって新たな学びにつながったのではないかと思います。

LFAスタッフと一緒にトートバッグに絵を描く作業中。


そしていよいよ子どもたちはオリジナルトートバッグの制作に取り掛かります。トートバッグの作り方は全部で4工程。①デザインを考える、②トートバッグに絵を描く、③クレヨンやペンで色塗りをする、④色落ちを防ぐためにアイロンをかける、の4つです。

まずは自分だけのデザインを考えるところからスタートします。

今回は、
・すでにイラストが描かれているバッグを自分なりに色付けしていくパターン
・見本のイラストをバッグに転写するパターン
・まっさらなトートバッグに自分でデザインをするパターン
のいずれかが選べるようになっていました。子どもたちはそれぞれ自分の好きなパターンを選んで作業を始めました。どのようなトートバッグにするかを決めるために紙に下絵を描いてそれぞれのデザインを固めていきます。子どもたちが失敗を恐れずのびのびと作業している様子が印象的でした。

デザインが定まったら、トートバッグに実際に絵を描き、色を塗っていきます。デザインや配色にこだわりながら作業する様子や、普段は絵を描くことをあまりしない子が、大胆に筆を進めている様子など、子どもたちの様々な側面が作業を通して見られました。また、作業で使用した布用のペンとクレヨンは数に限りがありましたが、仲良く譲り合いながら作業しており、子どもたちの成長を感じられました。

最後の仕上げとして、描いた色が落ちないようにアイロンをかける工程がありました。オラクルボランティアの皆さまと一緒に、やけどに注意しながら慎重にアイロンをかけ、世界に一つだけのオリジナルトートバッグが完成しました。ワークショップの限られた時間内で、とてもクオリティの高いトートバッグが仕上がり、子どもたちも満足げな様子でした。

仕上げのアイロンがけを見守っている様子


今回のお盆に関する講義とトートバッグづくりを通じて、子どもたちはただ楽しいだけでなく、文化を学びながら自分たちの創造力を存分に発揮することができました。まっさらなトートバッグに何を描いたらいいかが分からず苦戦している様子の子どももいましたが、最後には自分のオリジナルトートバッグを抱えて、達成感を感じながら帰っていく様子が見られました。今回のワークショップは子どもたちにとってとても良い経験になったのではないでしょうか。

また、子どもたちの多くがまっさらなトートバッグに自分で考えたデザインを描くパターンを選んでおり、自由にのびのび作業を行っていました。このような様子から、オラクルボランティアの皆さまが子どもたちと関わる際に大切にしている、「正解はない」「失敗しても大丈夫」という思いが、子どもたちにもしっかり伝わっていると感じました。

オラクルボランティアの皆さま、本当にありがとうございました!