【ゴールドマン・サックス地域協働型子ども包括支援基金】第2回対面研修実施～助成先団体の1年間の実践・学びを共有～

2025.11.28 イベント・活動説明会基金の活動実績活動実績

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【ゴールドマン・サックス地域協働型子ども包括支援基金】第2回対面研修実施～助成先団体の1年間の実践・学びを共有～

■「ゴールドマン・サックス地域協働型子ども包括支援基金」とは
2021年、ゴールドマン・サックス様からの資金支援をもとに、公益財団法人パブリックリソース財団、認定NPO法人Learning for All （以下、LFA）が協働して創設した基金です。

本基金では、地域で困難を抱えた子どもと早期に出会い・繋がり・支える包括的な体制を構築し、「地域協働型子ども包括支援」を実現することを目的に掲げ、その実現のため、子ども支援を行う団体に対して資金的・非資金的支援を行っています。

現在、2024年9月～2027年3月の2年半の助成（第2期）が行われており、採択された4団体が各地域での子ども包括支援の実現に取り組んでいます。

★第2期の採択団体についてはこちら
https://learningforall.or.jp/gschildfund/#result

■本基金の非資金的支援～研修会・相互視察～
本基金では非資金的支援の一環として、助成先団体の共通課題を深めたり、団体同士がそれぞれの実践から学び合ったりするための研修会や相互視察などを実施しています。

2024年度の第1回研修は、地域でのより包括的な子ども支援の実現や、助成期間終了後の事業継続を見すえて、「自治体との協働」をテーマに実施。LFAの居場所拠点の視察も行いました。

★第1回研修の報告はこちら（2025年1月24日実施）
https://learningforall.or.jp/news/250521

今年度の第2回研修は11月5日に東京にて実施。翌日、助成先団体の一つである一般社団法人えんがお様への視察を行いました。

■第2回研修：この1年を振り返って～「子ども包括支援の仕組み作りの実践・学び」の共有～
本基金（第2期）も2024年9月にスタートしてから1年2カ月が経ち、助成期間終了（2027年3月末）まで折り返し地点を迎えようとしています。

第2回研修では久しぶりに助成先団体の代表やスタッフが顔を合わせ、各団体のこの1年の実践を振り返り、学びを言語化・共有する機会をもちました。

団体からの実践共有の一部をご紹介します。

各団体が新たに取り組んだ支援や仕組み作り（一部紹介）

生活困窮など困難を抱える家庭へ、行政と連携して食料配布を入り口としたアウトリーチを実施。これらの家庭の子どもを学習支援（オンライン含む）・居場所支援につなげられるよう、家庭との信頼関係づくりを続けている（うみのこてらす）
保護者の孤立予防のための親子体験プログラム、スクールソーシャルワーカーと連携した不登校生へのアウトリーチ支援など、子ども支援メニューを拡充。もともと団体が強みとしている多世代型居場所での多様な人々との交流や支援につないでいる（えんがお）
震災を契機としたコミュニティの衰退・居場所や支援不足などにより子どもが孤立しがちな地域に、プレ－パークを移転・拡充。地域住民や多様な関係機関が日常的に子どもとつながり、見守れるネットワークを構築している（こども∞感ぱにー）
困難を抱えた家庭や多いにも関わらず児童館などの子どもの居場所や支援が不足している地域で、子どもの居場所を実施。個別の子どもの状況把握や学校との連携など、ケースワークを強化している（ヒミツキチ）

どの団体も、その地域・自団体ならではの資源や強みを生かしながら試行錯誤を重ね、困難を抱えながらも支援が届きにくい子どもや家庭と新たにつながり続けています。また活動する中で、家庭や子どものニーズに気づき、新たな取り組みを始めた団体もありました。どの団体も、こうした子どもへの支援を持続可能な地域の仕組みにしていくために、地域住民や関係機関と丁寧に信頼関係を築くことにも力を注いでいました。

一方で、さらなる行政との連携、子育てに困難を抱える家庭への長期的な支援のあり方、持続可能な組織作りなど、それぞれの課題感も共有され、活発な意見交換も行われました。

■ 助成団体の相互視察～ 一般社団法人えんがお 様視察～
翌日は栃木県大田原市に移動し、えんがおの活動を視察。
えんがおでは、徒歩2分圏内という距離感のエリア内で、地域サロン、高齢者のつながりつき住宅、障害のある方のグループホーム、若者向けシェアハウス、地域食堂などを運営してきました。

サロンに来るようになったさまざまな背景をもつ子どもたちのニーズにも応えるため、子ども支援事業を開始。現在では、学童保育、フリースクール、放課後等児童デイサービス運営のほか、不登校生へのアウトリーチも行っています。

地域サロンには、地域の人やえんがおを利用する様々な人が集い、そこに子どもたちも加わって、世代も障がいも関係のない「ごちゃまぜ」の日常を過ごしています。

当日は代表の濱野さんより、えんがおで大切にしている価値観やスタッフのあり方、事業・組織運営など幅広くお話をしていただきました。

完成したばかりの室内アスレチックのある子どもの居場所（新設）

えんがお児童クラブ（学童保育）。お迎えに来る保護者さんとスタッフの会話しやすさを意識したつくり

近くの空き地を借りて…えんがお「子どもの広場」

言葉にできないほど多くの傷つきを抱えた子どもや若者が、地域のおじいちゃんおばあちゃんはじめいろいろな人に気にかけてもらい、居場所にいてくれることに感謝され、愛情を注いでもらえる経験ができること。その中で、地域のおじいちゃんおばあちゃんの孤独も癒されていること。「ごちゃまぜ」の人とのつながりと地域コミュニティがもつ大きな可能性と期待を、肌身で感じることができました。

当日ご案内下さったえんがおの皆さま、本当にありがとうございました。

「ごちゃまぜの居場所で、「みんなでなんとかしていく」社会をつくる 〜一般社団法人えんがおが実践する全地域住民向けの孤独・孤立対策と関係人口の増やし方〜」

今回見学させていただいた一般社団法人えんがお様の取り組みを「こども支援ナビ」に掲載しています