【学生スタッフインタビュー】一分一秒に責任を持って子どもと接することができる大人を1人でも増やしたい

インタビュー・コラム
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皆さんこんばんは。学生採用インターンのみゆです。

今回は、2018年秋プログラムでボランティア教師としてLFAに参加し、2018年冬から2019年冬プログラムでは教室運営スタッフ(インターン)として関わり続けてきた小野裕太さんにインタビューを実施しました。

教室運営スタッフという関わり方になぜ興味を持ったのか、そして教室運営スタッフとして関わったことでどのような変化があったのか、長期間インターンとしてLFAに携わってきた小野さんだからこそ語れるお話をぜひお読みください。

 

ーLFAに参加した理由を教えてください。

元々は高校の教員志望で、実際に教える経験が積める場所を探していました。また、自分自身が地方出身ということで教育格差に興味があったこともあり、「子どもの貧困」という社会課題に向き合っているLFAという団体に興味を持ちました。そして実際に説明会に足を運び、話を聞く中で、「7人に1人の子どもが相対的貧困状態にある」という事実に衝撃を受けました。と同時に、そうした現状を知らないまま自分が教員になることに違和感を覚え、LFAへの参加を決意しました。

 

小野さんは一度ボランティア教師として参加した後は、教室運営スタッフとしてLFAに関わり続けていらっしゃいますよね。

教室運営スタッフを始めた理由の1つとして「教師教育に興味があったから」ということがあります。

 

「教師教育」ですか。確かに、教室運営スタッフはLFAに参加した学生ボランティアたちのメンターが主な役割でもあるので、教師教育者に通ずるものがあると思います。では、「教師教育」に興味を持ったきっかけというのは何だったんでしょうか。

きっかけは、ボランティア教師をしていた時の子どもとの出会いでした。中学校3年生の男の子だったのですが、素行不良で学校の先生からの印象は悪く、受験期の三者面談では(文脈はあったにせよ)「お前なんか受験なんて落ちてしまえ」と言われてしまう有様でした。しかし、人一倍言葉に敏感であった私は、「なぜ教師という責任ある立場の人間が子どもに向かってそういう言葉を言ってしまうのだろうか」と強く怒りと悲しみを覚えました。そして、子どもの課題の背景を考え、一分一秒に責任を持って子どもと接することができる大人を1人でも増やしたいという想いから、教室運営スタッフとして関わる意思決定をしました。

ーボランティア教師、そして教室運営スタッフとしてLFAに携わり続けてきた小野さんは、どのようなことが一番自分の中で変化したと思いますか?

一番大きく変化したのは社会の見方です。LFAでは「氷山モデル」というフレームワークを使って課題を整理します。
LFAでは「氷山モデル」で、現場に来てくれている具体的な子どもの課題を、見えている氷山の一角として捉え、その課題をパターンとして抽象化し、その背景にある社会構造やメンタルモデルを深掘りして整理します。

LFAに参加する前は漠然と教育格差という社会課題に対して関心があったのですが、「子どもの貧困・教育格差とはどういう課題なのか」ということをこのように一度立ち止まって考えることで、そこから思考の深掘りをスタートさせることができるようになったと思います。

大学の授業で教育社会学の知見を学ぶことがありますが、そうした現場で感じる課題感と統計データを繋げて考えることができるようになり、教育格差という課題の背景にジェンダー格差や申請主義の福祉、雇用の不安定さなど様々な領域における日本社会の課題を捉えることができるようにもなりました。

 

なるほど。LFAで実際に現場で関わったからこそ知り得た課題感から、ご自身の社会への見方に変化が生まれたということですね。

そうですね。また、もう1つ変わったことといえば、他者との関わり方も大きく変わったと思っています。LFAでは「意見ー価値観ー経験ー感情」というモデルで意見の違いを捉えます。これは、事象に対する評価が異なるのは、経験が違うから当たり前という考え方です。今までは意見の対立が起こった時に「どちらが正しいか」という視点でしか見ることができていなかったのですが、今では「なぜ意見が異なるのか」という視点で意見の多様性を捉えることができるようになりました。

 

教室運営スタッフとして携わる中で、非常に多くの教師のメンターとして、教師たちの想いを受け止めてきた小野さんだからこそ感じたこと、そして変化した部分なのではないでしょうか。

ー最後にLFAに参加を悩んでいる学生に一言お願いします。

 LFAでの経験は今の自分の意思決定や考え方に非常に影響を及ぼしていると感じています。1回のプログラムは3ヶ月間と期間が長くその中で大変なこともあると思いますが、その分1人の子どもに向き合えるという魅力やメンターとなる教室運営スタッフが支えてくれるという安心感もあります。

また、参加する学生ボランティアたちのレベルの高さや多様なバックグラウンドも魅力の1つだと思います。目の前の子ども、拠点の仲間である学生ボランティアや教室運営スタッフ、サポートしてくれる職員やインターン生など、ありとあらゆる他者から日々学びがあります。

まずは説明会の動画を見たり相談会に参加してみたりして、一度自分の目でどのような活動かを見てみてください。一度参加したボランティア学生は継続的に関わり続けることも可能です。教室運営スタッフや他のインターンとしての関わり方も検討してみてください。自分自身一番成長し、鋭い感性や多角的な社会への見方を養えたと感じるのは、やはり2019年度の1年間で教室運営スタッフを務めた経験が大きいです。
今このインタビューを読んでくれている皆さんが、共に社会課題の解決者として仲間になってくれることを期待しています!