【現場からのストーリー】ハラルフードで「一人に寄り添う支援」を

活動レポート
ハラルフードで「一人に寄り添う支援」を

子どもたちの健やかな成長にかかせない食事と栄養。

Learning for All (以下、LFA)では、おなかを満たすだけでなく、子どもたちが食事をつくる手伝いやお膳立てをする、一緒に食事をする時間や空間を大切に、居場所支援拠点での食事提供に取り組んできました。

 しかし、コロナで状況は一変し、飲食を共にすることが難しくなりました。一方で、経済的な困難から十分に食事が用意できないなどのSOSが寄せられます。またコロナ禍で繋がりを失った人たちが多く、地域に集まれる場を取り戻す必要がありました。そこで、始めたのがフードパントリー。LFAの支援拠点を利用している子育て世帯と地域の子育て世帯を主な対象とし、LFAが購入した野菜などの生鮮品、手軽に調理ができて保存も可能なレトルト品、おやつなどの食材を無償で提供することにしました。

 対象となる世帯にフードパントリーの実施日を案内し、当日は提供する食料品を並べて、欲しいものを取ってもらう方法で始めました。食料品などを受け取り、気持ちがほぐれた方の中には、これまで聞けなかった困りごとや気持ちなどを、自ら話し始める方もいます。足を運びやすい機会と「食」をきっかけに、LFAスタッフとの関係性が深まっていきました。また、回を重ねていく中で、子どもたちが準備や配布などの運営にかかわり、地域の方との交流を深めるきっかけにもなりました。

 フードパントリーの取り組みを知って「お手伝いできることはありませんか。食材の提供ではハラル対応もできます。」と声をかけてくださったのは、ドテラ・ジャパン ヒーリングハンズプロジェクトさん。イスラムの教えに則った食品であるハラルフードは、入手がむずかしかったこともあり、ニーズはあったものの、対応が追い付いていませんでした。お申し出をありがたくお受けし、ハラルフードの提供をお願いしました。

ハラルフードの提供を受け、希望する保護者とお子さんへ、ハラルフードをお渡しすることができました。入手が簡単でないことを知っているからこそ、とても喜び、袋からひとつひとつ中身をだしては、盛り上がっていました。

 

寄贈いただいたたくさんのハラルフード

 

外国にルーツがあるこの世帯は、日本語の表示がわからず、食品のラベル確認をすることが大変で、この世帯はフードパントリーから足が遠のいていました。しかし、ハラルフードが再び地域やLFAと「つながる」きっかけとなりました。

ご寄贈いただいたたくさんのハラルフードは、ドテラ・ジャパン ヒーリングハンズプロジェクトさんご快諾の上、LFAの拠点と同じエリアで活動する他団体を通じて、ハラルフードを必要とするほかの世帯にも提供させていただきました。

 世帯やその人によって、異なる食のニーズ。細かなニーズを見込んでご提案をいただき、迅速かつ柔軟に対応してくださったドテラ・ジャパン ヒーリングハンズプロジェクトさんに、この場を借りて感謝申し上げます。LFAの「一人に寄り添う支援」を届けることができました。

 

フードパントリーで配布する食料品を準備するLFAスタッフ

 

LFA では、フードパントリーのほか、LFA支援拠点での食事提供や食料品の配送などの食事支援を、継続していきます。


LFAでは皆さまよりいただいた温かいご支援を、子どもたちが勉強や日常生活を身に着け、社会に羽ばたくための支援資金として使わせていただいております。
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