【学生スタッフインタビュー】指導を通じて「子ども目線」を徹底することの難しさを感じた

インタビュー・コラム
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皆さんこんにちは。学生採用インターンの坂佐井です。

今回は2020年度秋プログラムの学習支援拠点でボランティア教師として関わっていた富士見のどかさんにインタビューを行いました。

LFAでの活動を通して、「今まで考えたことのなかった課題や価値観に触れることができた」と話す富士見さんの声をお聞きください。

 

LFAに参加した理由を教えてください

教師を目指す中で、塾や家庭教師ではできない指導経験がLFAではできると思ったからです。

塾講師のアルバイトもしていますが、指導案や教材の作成まではしないですし、LFAでは一人ずつ担当のスタッフが作成物に対して丁寧にフィードバックしてくれます。
ここまで丁寧に自分のスキルを磨けるところは他にないと感じました。

 

LFAと並行して行っていた活動は何かありましたか?
もしあればどのように両立されていたのか教えてください

私は休学中に参加したため、学校の授業等はなく、コロナの影響でサークル等も活動停止していました。

しかし、アルバイトは週3〜4でしていました。夕方〜夜の時間帯に働いていたので、朝〜昼の時間帯にLFAの作業をしていました。

最初はスケジューリングが大変でしたが、慣れてくるとある程度の時間を確保できれば十分に準備ができるようになりました。

 

LFAに参加する前と後で一番変わったのはどのようなところですか?

人の様子をよく見たり、人の話をしっかり聞くようになりました。

LFAでは子どもの言動から、その言動を取った背景を考える時間を多く取ったり、フレームワークを使ってその言動の理解を深めたりします。

そのため、目の前にいる人の言動から、相手の背景にある価値観や社会のあり方を考える時に、どんな順序で考えればいいのかを学ぶことができました。

また、今まで自分は人の話をしっかり聞けている方だと思っていましたが、LFAでの指導の経験を通じて、「相手の話を聞いた上で”自分が”何を考えるか」が重要であることを学び、より注意深く相手の話を聞いて思考することを意識するようになりました。

 

担当していた子どもはどのような生徒でしたか?

ひとり親世帯の、学習遅滞を抱えている生徒でした。
関わった当初は学習において自分に自信がなく、「できない」「だめだ」等の発言を繰り返す姿がよく見られました。

また、ストレスを感じやすく、テストの時に体調を崩して学校へ行けなかったり、授業中に固まって動けなくなったりしてしまうことがありました。

 

上記に関してどのような対応を取りましたか?

まず、結果だけにとらわれず、「頑張った過程」に目を向けることで生徒が成功体験を積めるようにすることを意識しました。
具体的には、自信を少しずつつけてもらいたいと思い、プリントの採点方法を知識の項目ごとにつけるように変えました。

例えば、英文を全てかけた時だけに点数をあげるのではなく、英文が書けていなくても主語→動詞の順で書けていたら1点、スペルが合っていたら1点あげるなどの採点方法に変化させました。

また、その生徒は学習に対してのコンプレックスが大きかったので、少しでも楽しんでもらえるように、教材を工夫してみました。歌を一緒に聞いたり、アニメのセリフを訳したてみたり、ゲームで覚えてみたり、様々なやり方で実践してみました。

 

その結果、生徒にどのような変化がありましたか?

上記のような取り組みの結果、単元確認テストの前に「これなら80点くらいはとれます」という自信を持ったような発言をしてくれるようになりました。
また、実際にテストも95点取れるようになり、大幅に点数がアップしました。

はじめは、指導中どんなに生徒が出来る内容の単元でも「このまとめテストできそう?」という問いに対して、「できません」「無理です」などのマイナスな答えしか返って来なかったのにも関わらず、このように生徒から前向きな返答を貰えるようになったのが非常に印象に残っています!

 

LFAで活動する中で「難しかった」と感じた経験があれば教えてください。

一週間かけて生徒に会えるのを楽しみに指導準備をするので、生徒がお休みしてしまう日は、本当に心配しますし、会えなくて残念な気持ちになります。特に私が担当していたのはストレスを感じやすい子だったので、このまま寺子屋(LFAの学習支援の場)に来られなくなってしまったらどうしようと不安に思いました。

その時、支援を届けることの難しさを感じるとともに、生徒たちが来てくれることが当たり前ではないということを感じました。

 

他にも、指導をし子どもと関わる中で、「子ども目線」を徹底することの難しさも感じました。

はじめは、「子ども目線」に立って会話することは当たり前で、簡単なことだと思っていましたが、実際の子どもとの関わりからとても難しいことだと感じました。

例えば、子どもがやりたいことと大人が描く理想がずれていた時に、どういった打ち手を取れば「子ども目線」に近づけるかを考えるのには苦労しました。また、こちらがわかりやすいと思って用意した教材であっても、子どもの状況・様子によっては予想通りに上手くいかない時があるなど、実際にやってみないとわからないような課題がたくさんありました。

これは私だけでなく、拠点の他のメンバーたちも苦戦しているように見えたので、LFAのボランティア教師たちがよくぶつかる壁なのかもしれません。

確かに。私も実際に指導経験する中でとても苦労しました…。そこが子どもたちと関わる上で難しいところでもあり、一方でやりがいを感じるところでもありますよね!

 

最後に、参加を迷っている学生に一言お願いします!

LFAは、子どもの貧困を解決するための組織であり、子どものためのボランティアではありますが、確実にボランティア教師側にも学びがあり、今まで考えたことのなかった課題や価値観に触れることができます。子どもだけでなく、自分について考える時間や、社会について考える時間があり、いろいろな観点から、子どもの貧困について考えることができると思います。参加を迷うなら、挑戦してみることをお勧めします!

また、教育や子どもの貧困という社会課題に対して、同じくらいの熱量で興味を持っている仲間にも出会える貴重な場であると思うので、ぜひ参加してみて欲しいです!私もいろいろな人にLFAで出会いたいなと思ってます!


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秋プログラムについてはこちらの記事にて詳細を掲載しております!

 

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