【学生スタッフインタビュー】居場所支援をする中で子どもの気持ちのコントロールを手伝うことができたらいいと思う

インタビュー・コラム
塚田さん写真

皆さんこんにちは、学生採用インターンの数山です。今回は2022年春プログラムから居場所支援拠点でボランティアスタッフとしてLearning for All(以下、LFA)に参加している塚田玲子さんにインタビューを行いました。

LFAの活動を通して、「居場所支援をする中で子どもの気持ちのコントロールを手伝うことができたらいいと思います。」と語る塚田さんの声をお聞きください。

LFAに参加した理由を教えてください。

自分の経験によるところが大きいです。

両親が共働きの家庭だったので、小学生の時は両親と一緒にいる時間より、学童や習い事、近所の人の家に遊びに行くなど、家以外の居場所で過ごすことがかなり多かったです。その中のどの居場所に行っても心地いいと感じ、安心できる居場所が自分にはたくさんありました。

大学3年生になって、何か新しいことを始めたいと思った時に子ども支援のボランティアを募集しているLFAと出会いました。もしかしたら自分の経験が居場所支援という形でいかせるのではないか、自分が小学生の時にしてもらったことを今の子どもにも還元できるのではないかと思って参加を決めました。

どのような子どもと関わったのでしょうか?

小学1年生から3年生までの子どもと関わっていますが、自己表現ができる子どもが多いと感じました。自分も小さいころは自己主張をする方だったので、自分と重ね合わせて懐かしいと感じることもありました。

何かを選択する時や行動を変える時によく自己主張をしてくれます。
何かを選択する時であれば、遊びの中で「私はこういうルールがいい」「私はこういうルールは嫌だ」と話したり、行動変容というところであれば、子どもと一緒に1日のスケジュールを決めているけれど、遊びから次の時間に移る時に「嫌だ、まだ遊ぶ」と話すことがあります。

その中でも個性が豊かで、「これはやりたい、やりたくない」ということをはっきり主張する子どももいれば、「やりたい」ということはちゃんと主張できるけど「やりたくない」ということはあまり主張できない子どももいます。自己表現の仕方に様々な個性がありました。

子どもそれぞれに個性があったんですね。活動の中で嬉しかった出来事はありましたか?

子どもが何かをやるとなった時に、自分に「やってもらいたい」と言ってもらえた時には嬉しいと感じました。
ブランコが好きな子どもがいて、その子がブランコをする時には私が後ろから押す係をしていたので、ブランコをやるとなるとその子が私のところにきて「押して」と必ず言ってくれるというシーンが何回かありました。
その子が自分を必要としてくれるんだと感じて嬉しかったです。

活動の中で難しかったことはありましたか?

何か行動を変えないといけないとなった時に強めに拒絶してしまう子どもがいたことです。
子どもがなかなか行動を変えられない時に、しゃべらなくなってしまうことや強い言葉で「何なの?」と言われてしまうことがありました。そういう時、人の行動を変えることは難しいんだと実感しました。人の行動を変えるのは難しいからこそ、自分がどういう発言したらいいのか、どういう行動をとればいいのかを考えさせられました。

どうしたらいいかと感じた時、最初のうちは自分の中にしまい込んでしまっていました。
でも、必ずその日の活動の最後には、スタッフや他の学生ボランティア、インターンと一緒に1日の活動の中でもやもやした部分や難しかった部分、対応に困ったシーンを共有して、「自分だったらこうするかな」「次はこうしたらいいんじゃないかな」といった、アドバイスをもらえる時間が設けられています。
その時間を通して改善でき、周りの人の支えがあったからこそ対応できるようになりました。

活動の中で印象に残っていることはありますか?

ボランティア企画を考えた時のことです。
ボランティア企画は、子どものやりたいことと自分が子どもにこうなってほしいということを掛け合わせて、企画を作るというものです。
活動の中で、自分がやりたいと思っていることを言葉にあまり出せていないという印象を持つ子どもがいました。でも、その子の中には発言したいという想いがあるのではないかと捉えて、その子が自分でやりたいと言ってくれたことに対して意欲的に取り組めるような企画をしたいと思いました。

そこで、学習の時間が必ずスケジュールの中にあるので、「今日はどういうことを勉強しようか?」「今日は何したい?」というのをはじめにその子の口から言ってもらうようにして、30分間きっちりその子のペースにあわせて学習するということをしました。
最終的にその子はきらきらとした勉強姿勢で、学習の時間を過ごすことができたことがとても印象に残っています。

また、ボランティア企画を考える時には周りの人が助けてくれました。
自分自身、自分の中で抱え込んでしまう傾向が強く、何か1つ考えることがあった時に自分の中で納得のいく答えがないと、なかなか人に打ち明けられないことがあります。自分から発信できなくても、周りのスタッフの方が「今どんな感じなの?」と話しかけてくださって、それにとても助けられました。

チームメンバーの存在も大きいように感じました。活動したのはどんな拠点だったんですか?

受け入れる姿勢がみんなに備わっている、とにかくみんな暖かい人たちでした。
それでも、ただ穏やかなだけではなくて「子どもたちにこうなってほしい」「こういう支援をしたい」という、子どもへの想いを心の底で強く持っている人が多かったです。そういう軸を持ちつつ、受け入れてくれる暖かさもあるような活動拠点でした。
私自身、拠点の人から影響を受けて「もっとこうなりたいな」と思うこともありましたし、お互いに影響を与えあえる、成長しあえるような人が多いと思います。

LFAに参加する前と後で、子どもの貧困への考え方はどのように変わりましたか?

参加する前は「子どもの貧困」「貧困家庭にある子ども」と聞くと、子ども自身が後ろ向きになってしまっているんじゃないかというイメージがありました。
でも、実際に活動に参加して子どもと交流していると、全然そんなことはないと感じました。1人の子どもとして、前向きに取り組みたいという気持ちがあって、それが行動に表れている子どももいればなかなか行動にはつながらないけど、想いは持っているという子どももいます。
「子どもの貧困」「貧困家庭にある子ども」のイメージが大きく変わりました。

活動の中では、「貧困家庭にある子ども」というフィルターをなくして、1人の人と人という形で接してはいますが、ただやはり家庭環境が子どもに与える影響は大きいです。
家庭内であった嫌なことが、拠点に来ても他の子どもへの態度に表れてしまうということもありました。自分が家庭に直接介入することはできませんが、居場所支援をする中で子どもの気持ちのコントロールを手伝うことができたらいいと思います。

最後に、参加を迷っている学生に一言お願いします!

私も参加するまでは「自分はどう子どもに接することができるんだろう」「自分が子どもに対してどんな形で影響を与えられるんだろう」ということをすごく考えていました。自分の頭でぐるぐる考えていた時に、結局「子どもに対して何の影響も与えられないのでは」と感じることもたくさんあって、そんな不安が活動に参加する前は8割くらいありました。

でも、残りの興味や勇気によって参加を決意して得られたものはものすごく大きいです。参加するまで、自分の可能性は見えてはいなかったけど、こんな自分でも子どもに何かできることがあるんだと感じることが多かったです。
参加を迷っている方も、参加するまでの少しの勇気でたくさんのことを得られるのではないかと思うので、ぜひ参加してみてほしいです!

 

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Learning for All では学習支援・居場所支援の2つのプログラムで参加学生を募集中です。プログラムへの関わり方もボランティアとインターンの2種類ご用意しています。
まずは以下の画像から、子どもの貧困やLFAの事業内容・プログラムについて説明した動画をご覧ください。


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