【学生スタッフインタビュー】自分を受け入れてもらえているという実感、自分に自信を持てるような経験を子どもたちに届けたい
※こちらの記事は過去掲載されていたものを編集し、再掲したものです。また、一部プログラムの内容が現在と異なる場合があります。
Learning for All 学生ボランティアインタビュー、今回は慶應義塾大学3年の平井七実(ひらい ななみ)さんにお話を聞きました。
平井さんは、2016年10月よりボランティア教師としてLFAの学習支援プログラムに参加し、以後継続的にLFAの活動に参加していました。その後、子どもたちの放課後の居場所づくりをサポートしていました。
学習支援と居場所支援、どちらの現場でも子どもたちとかかわってきた平井さんの声を、ぜひご覧ください!
LFAに参加した理由を教えてください
大学一年生の秋頃、大学の講義もサークルも中途半端になっている自分に気づきました。
何か熱中できる活動がしたい、教育現場に深くかかわってみたい、という思いで様々なNPOや学生団体を探していたところ、たまたま出会ったのがLFAです。説明会での話を聞き、直観的に「ここだ!」と感じてプログラムへの参加を決めました。今思うと、LFAの「教育格差を終わらせる」というビジョンに共感したこと、「振り返り・改善・成長」を重視するLFAの現場ならこれまで子どもとかかわりのなかった自分でも本気で子どもたちと向き合うことができると確信できたことが参加の決め手になったのだと思います。
居場所支援拠点に参加しようと思ったのはなぜですか?
学習支援プログラムでの活動を通して、子どもたちは適切なサポートがあれば学力や自尊心が大きく向上することを実感しました。
そのことに大きな意義を感じると同時に、子どもと直接関わる時間が限られていることや、学習や学力向上に重きを置いている分、子どもたちの心や環境のサポートまで十分手が回らないことに葛藤していました。次第に、安心できる空間がない、信頼できる人が身近にいない、という子どもたちにとって、学習支援よりも必要な支援があるのではないかと考えるようになりました。
このような葛藤を通して、自分の関心が「教育」から「福祉」へと変化していることに気づいたため、今期から「福祉」に重きを置いたアプローチで子どもに関わることのできる、子どもの家に参加しようと決めました。
学習支援と居場所支援の違いはどんな点だと思いますか?理由とともに教えてください
大きく2点あります。一つ目は担当する子どもたちの人数の違いです。
学習支援では1人の教師が1~3人の子どもを担当し、毎週決まった曜日にに教室に通う子どもたちの授業を行います。一方、居場所支援では、学生スタッフ全員で子どもたち全員をみます。学習支援では一人の子どもに集中して支援できるというメリットがあり、逆に子どもの家ではたくさんの子どもたちと接することができるというメリットがあります。
二つ目は、子どものたちとの関わり方です。どちらも子どもに寄り添う姿勢が重要だという点では同じですが、「教育」「福祉」どちらに重点を置きながら子どもたちの成長を応援するのかが異なると感じています。
学習支援では子どもたちの学力を伸ばすことに重点を置いているため、結果につながる質の高い授業を行えるような事前準備が命です。指導準備は大変と感じるかもしれませんが、その分指導力だけでなく、タスク処理能力や論理的思考力などの力が身につくと思います。
一方、居場所支援拠点では子どもたちが放課後に安心できる場を提供することに重点を置いているため、何かをこちらから提供するということより、子どもたちがやりたいこと思ったことを尊重し、場を提供することが重要です。よって、子どもたちの要求や感情を瞬時に汲み取り、最適な支援を行う判断力や柔軟な思考力が大切だと感じています。
今期、子どもたちに届けたいことはなんですか?
子どもたちに、無条件で自分を受け入れてもらえているという実感や、子どもたちが自分に自信を持てるような経験を届けたいです。
私は個人的に、子どもが色々な経験をしながら成長することが重要だと思っています。しかし、自尊感情が低いと何かに積極的に、前向きに挑戦することが難しいと思います。
そして学習支援や居場所支援に通う子どもたちには、学習での大きなつまづきがあったり、学校でも家でも居場所がないと感じていたりする子どもも多いです。そのような失敗体験などをたくさんしていると、自尊感情が低く、自分に自信を持つことができません。
そのため、まずは無条件で自分自身を受け入れてくれる人に出会い、その人たちとの経験を通して安心して子どもの家に通ってもらえるようにしたいです。その上で、かかわる子どもたちに小さくてもいいので一つでも多くの成功体験をして、自分に対して自信が持てるようになってほしいです。そのために、褒める声かけをたくさんする、など自分の成長に子ども自身が気づける状況も積極的に作っていきたいと思っています。
最後に、参加を迷っている学生にメッセージをお願いします!
LFAは子どもたちの成長だけではなく、子どもと向き合うことによるボランティア自身の成長や社会課題に対する自分の考え方の変化のきっかけを得られる場所でもあると感じています。
実際、私はLFAでの経験を通して、自分の将来や、希望する進路が変わるほど子どもの貧困やその他の社会課題に対する意識が大きく変化しました。この経験を通して、LFAのプログラムはただの学習支援や居場所支援だけではなく、社会課題に対しても真剣に向き合えるプログラムだと思っています。
少しでも気になる方は、とりあえず説明会に行ってみることをおすすめします。行ってみて、たとえ参加を決めなかったとしても私たちが課題意識を感じていることを聞いてくれるだけでも嬉しいですし、皆さんにとっても説明会の内容で何かしら得られる視点や出会いがあると確信しています。
また、説明会に行って参加を希望してくれたらなお嬉しいです。もし二つの事業で迷っているのであれば、どのようなアプローチから子どもたちとかかわりたいのか、どのようなスキルや経験を自分が得たいのかなどを考えて見るといいのではないでしょうか。一緒に子どもたちと向き合い、子どもの貧困や様々な社会課題を共に解決する仲間になれることを心から願っています!