【学生スタッフインタビュー】どんな境遇にあっても、その子らしい幸せな人生を送るための並走をしたい

インタビュー・コラム
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皆さんこんばんは。学生採用インターンのみゆです。

今回は2019年秋プログラムにボランティア教師として参加した髙橋遥さんにインタビューを実施しました。

秋プログラムという3か月のプログラムを通して、どんな生徒と出会い、どんな変化を得ることができたのか?ぜひ冬プログラムへの参加を考えている方はこのインタビューを参考に、参加を考えてみてはいかがでしょうか。

拠点メンバーとのお写真(写真

ーLFAに参加した理由を教えてください。

LFAを知ったきっかけは、サークルの先輩がシェアしていたfacebookの記事でした。そこからLFAのHPを読んで「子どもの貧困に、本質的解決を」という言葉を見て、まさにやりたかったことだと思いました。

私は大学で社会福祉学科に在籍し、社会で生きづらさを抱える様々な人に対する、臨床と制度政策の両側面からの支援について学んでいます。そこで子どもの貧困について、経済的貧困はライフチャンスの制約や精神的な貧しさなど多くの影響を与えるということを学び、それは学力のみならず自尊心の低下や将来への無力感につながると感じました。そういった状況に陥っている子どもに対して、支えとなれるような場を作りたいと思いました。

このような思いを持ったもう一つの背景として、私自身が長らく家庭を安心空間だと感じられずに過ごしてきた経験があります。学校での居場所もなくなってしまった時には本当に孤独を感じましたし、そんな中で話を聞いてくれた数学の先生の存在は今でもとても大きなものです。実体験からいかにそういった大人の存在が子どもにとって大事かが分かりましたし、安心空間を作りたいという気持ちは強いものでした。

子どもと関わることは好きだったので、学習支援だけでなく居場所づくりなど包括的な支援をしているLFAに惹かれ、その当時留学を控えていた私は「帰ってきたら絶対に参加したい」と思いました。

 

ーLFAに参加する前と後で一番変わったのはどのようなところですか?

常に顔や姿が思い浮かぶ子どもたちがいることかなと思います。出会うまでは漠然と「貧困家庭にいる子ども」と認識していたものが、様々な子どもと関わる中で、実際に名前やその子の好きなものが浮かぶようになったのは大きいです。

子ども一人一人が具体的に浮かぶことで、その子たちをもきちんと取り込んだ社会を作りたいと思いますし、自分には何ができるだろうかと行動する勇気を与えてくれています。他の誰かに想いを馳せることができる人々が増えていけば、社会は今よりもよくできると信じています。

一方で、子どもたちを知れば知るほど、彼らが抱えている貧困・学習遅滞などの表面的な課題はあまり考えなくなりました。そのような一面は確かにあるかもしれないけど、それ以上に素晴らしい個性を持った一人の子どもで、本人がなりたい姿を私たちは見守り、時に支えることを大切にしたいなと思いました。子どもはこうあるべきだからこの課題を解決する、と言った視点よりも、どんな境遇にあってもその子らしい幸せな人生を送るための並走をしたいと思っています。

他にもLFAでは、実際の指導の他にも研修や教室運営のスタッフとの相談会を重ねることで、本当に多くのことを学びました。自分を見つめる機会にもなりましたし、物事を構造的に考えることもできるようになりました。自身の勉強意欲や将来への強い意志も芽生えました。

 

ーLFA内で出会った子どもとの思い出エピソードをおしえてください。

はじめはネガティブな発言ばかりしていた生徒が、関わっていくうちにポジティブな言葉を使った表現ができるようになっていったことが印象的です。

最初に話した時は、その生徒はネガティブな言葉がとても多かったんです。自分に対してもそうでしたし、家族や先生、仲の良い友達に対してもネガティブな発言ばかりをしていました。友達の良いところを聞いてみても、「そんなところはない。自分より性格が悪い」と言っていました。私には、他人を下に見ることで自分を保っているように見受けられましたし、自分に自信が持てていないがゆえの発言のように感じました。

私はその生徒のその課題の打ち手を取るために、まず初めに、その子が使っている言葉などを合わせて同じ目線に立つようにしました。

そして、他人に優しい行動ができるのは自分が満たされてからだと思ったので、まずその子自身を全部まっすぐに受け止めようと思いました。ネガティブな発言が出てきてもすぐ注意するのではなく、その言葉の背景にある気持ちを聞きながらそれを受け止め、何でも言えるような関係づくりをしていきました。

指導中にはその子が頑張っているところを褒めたり、素敵なところをたくさん言葉にして伝えたりしました。「そんなことない」と否定していたその子も、照れながらも段々と自分の頑張りを自覚できるようになっていきました。単に私がその子どものことを自慢したかったというのもありますが、その子がいる所で他の先生やスタッフにその子のすごいところをよく話していました。

そのような関わりを続けていくと、そんな生徒が、家族や仲の良い友達はもちろん、嫌いだと言っていた友達に対しても「あの子のこういうところは良いところだ」と見つけることができるようになっていました。指導に関わりだしてから全体の指導日の半分くらい経過したときに、「自分の稼いだお金でおばあちゃんをディズニーのホテルに泊まらせてあげるのが夢」と語ってくれたのはとても印象に残っています。

また、寺子屋内にも話す友達ができていました。最終日は公園に遊びに行ったのですが、そこからの帰り道はそのうちの1人の子どもとずっと話しながら帰ってきました。私はその2人と一緒に歩いていたのですが、そこでの会話もすごく優しくて、共通の話題で盛り上がりながらお互いに下の名前で呼び合っている姿が見られました。

私が参加したのは秋プログラムだったのですが、プログラム終了後、冬プログラムの期間に一度当時の拠点を訪問したときにも他の子と楽しそうにぬり絵をしていて、その子の素敵なところが増える過程にそばにいられたことを嬉しく思いました。(注:髙橋さんが関わっていた学習支援拠点では子どもが自由に過ごせる時間を設けています

ー最後に、参加を迷っている学生に一言お願いします!

3ヶ月という短い間でも、子どもや他の大学生との出会い、彼らや社会のことを本気で考えた経験はどれもかけがえがないものになります。

様々な興味や価値観を持つ人たちとの対話はいつも刺激的でしたし、子どもの安心空間だけでなくいつの間にか私自身の安心空間でもありました。社会課題や貧困、と聞いて自分にできるのか不安に感じる人もいるかもしれませんが、「今のあなただから」伝えられることを、ぜひ子どもに伝えて欲しいと思います。あなたの存在を待っている子どもがいて、あなたの言葉で変わる子どもがいます。ぜひ一生ものの経験をしに飛び込んでみてください!

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