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【学生スタッフインタビュー】目の前のその子が歩む人生の一部として、自分にできることを考えるようになった

2021.3.30

皆さんこんばんは。学生採用インターンのみゆです。

今回は2020年秋プログラムから学習支援拠点で活動している奈良めぐみさんにインタビューを行いました。

「子どもの人生に関わることができた一員として、その子らしさを発揮できる場所を届けたいと思うようになりました」そう話す奈良さんの想いと背景に着目しながら、その声をお聞きください。

LFAに参加したきっかけについて教えてください。

子どもに本気で向き合うという経験をしたいと考えたからです。

私は家庭教師のアルバイトをしていましたが、学校の教員になることを目指しているため、カリキュラムに基づいて指導を行い、より多様な背景を持った子どもたちと関わる経験を積みたいという思いを持っていました。

ただ、それだけの理由だったらLFAでなくてもいいと思います。

私がなぜ他に学習支援のボランティアがある中でもLFAを選んだかというと、「子どものビジョンを描く」というLFAの子どもへの向き合い方に強く共感したからです。

「ここでなら本気で子どもに向き合うことができる」、そう思い参加することを決めました。

 

実際にボランティアに参加してみてどんなことを考えるようになりましたか?

参加する前まで、私は”自分が”子どもに本気で向き合うことが大切なのではないかと思っていました。でも活動を通して、だんだんと「必ずしも子どもにとって必要なのは私だけではない」と思うようになってきたんです。これはポジティブな意味合いで、です。

子どもたちにとって一番重要なのは、誰かが関わることでその先の人生に何か良い変化が起こり得るということです。

だからこそ、「自分がその子にとって本気で向き合う大人になりたい、こういう存在になりたい」ということだけではなく、「私との経験や寺子屋(LFAの学習支援拠点)での学びが、その子の人生の変化の一部になれたらいいな」と考えるようになりました。

 

そう考えるようになったきっかけは?

一番大きな理由としては、秋冬と継続してボランティア教師としての経験を積んだからこそ、そう考えるようになったのだと思っています。

当初、秋から冬にかけて継続しようと思ったのは、それこそ「達成できなかった変化をもっと自分の力で届けたい」という気持ちが強かったからでした。

しかし、冬から受け持つようになったある生徒の変化を目にしたことでその考えは少し変わるようになりました。

冬から新たに担当することになったのは、秋プログラムの時から知っている生徒でしたが、秋の時点では他のボランティア教師が見ていました。その生徒を引き継ぎで見ることになったんです。

オンライン授業でその生徒に授業をしていたある日のことです。

彼は授業中にも関わらず、たまにおもちゃを手にしてしまうことがあります。そのまま夢中になって遊んでしまうこともあるのですが…。

その日は初めて、おもちゃを手に取ったものの、それを机に置き直して勉強に取り組んでくれたという場面がありました。

 

授業後、指導の様子を見てくれていた教室運営スタッフの方に「あの場面は生徒にとって、とても大きな変化だったと思うよ」と声をかけられました。

そう言われた時、「おそらく私一人だけの力で成し遂げた変化ではないな」と思ったと同時に、「今私が指導している生徒たちは、その場で変容を遂げなくても、積み重ねによっていずれ大きな変化を遂げていくのではないか」とハッとしました。様々な人との関わりの上で、子どもたちの成長は成り立っています。

私はその子どもの人生に関わることができた一員として、自分にしか届けられないものを届けたいと思うようになりました。

 

なるほど。目の前の結果だけにこだわるのではなく、長い目で、子どもの未来を考えるようになったということですね。当初共感していたLFAの「子どものビジョンを描く」ということを、身をもって経験されたのではないかと思います。

そんな奈良さんですが、最初から子どもとうまく関わることはできていたと思いますか?

もちろん初めの頃はかなり苦戦しました。例えばオンライン指導ならではの難しさだと思うのですが、何かのきっかけで子どもがカメラも音声もオフにしてしまう場面がありました。

私は当時しきりに「カメラと音声、付けてもらってもいいかな?」と焦って声をかけていましたが、うまくいきませんでした。指導後にその出来事について振り返り、教室運営スタッフから「なぜ生徒がそういう行動をしてしまったのかを考えながら指導できると、もっと良くなるよ」とアドバイスをいただき、次に活かせるようにしました。

具体的にいうと、まず、指導準備の段階ではロールプレイをしっかり行い、落ち着いて生徒の行動に対応できるようにしました。また、授業中にカメラや音声をオフにしてしまった時はすぐに否定するのではなく、一旦取ったアクションを認めることを意識しました。その上でどうして今の行動を取ったのか、生徒の考えを聞くようにしました。

日々経験する難しさや失敗を一緒に受け止め、一緒に課題解決のために頭を使ってくれるメンターさんや同じ拠点の仲間がいたからこそ、少しずつ前に進めているのではないかと思っています。

 

そうですよね、初めから思った通りに指導するのはなかなか難しいですよね。

指導準備の期間、どんな指導教材を作っていましたか?

奈良さんの指導教材例

それまでの指導日での子どもの様子から、小数の加減に整数が含まれた際の筆算の書き方が定着してきたばかりであること、計算方法が似ている問題で混同しやすいことを感じていました。それを踏まえ、小数のかけ算の学習の後にこの教材を追加しました。

子どもの様子に応じて指導の細かい部分に意図を込めることで、目の前のその子が「分かった」「できる」と感じられる指導の実現を目指しています。

 

今後はLFAにどんな関わり方をしていきたいですか?

秋冬と二期の学習支援ボランティアの経験を通じて、今度は学習支援拠点の拠点作りに携わりたいなと考えるようになりました。

私が今考えているのは、第一には「子どもが安心して過ごせる空間」を拠点作りを通して実現したいということです。そしてその先の目標は、「安心空間の外の世界でも、子どもが生き生きと過ごすことができる」ことです。この思いを拠点全体に広げていきたいなと思っています。

もう1つ実現したいこととしては、「拠点のボランティア教師たちも安心して過ごせる空間」作りをしたいです。教室運営スタッフとしてボランティア教師それぞれのビジョンを大切にしていける拠点づくりをしたいです。

そのためには、ボランティア教師一人ひとりが子どもに届けたい思いを尊重しながら、彼らの良さを引き出せる向き合い方を考えていきたいと考えています。

 

最後に一言お願いします!

学校教員を目指す者として、私は今後も子ども一人ひとりの価値観や素敵なところに目を向けられる教師でありたいと考えています。そして学校という空間も、算数や英語といった勉強ができる子だけが評価されるのではなく、絵が好きであったり、音楽が好きであったり、そういう多様性を認められる場にしたいと思っています。

このような思いが強くなったのは、LFAの現場で見て感じたことも大きいです。

子どもと関わる機会を通じて、これまでの自分にはなかった価値観や社会の見方を得ることができるのではないかと思います。

 

ありがとうございました!

 

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