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【LFAの現場から見る発達障害】〜一人ひとりにあった学びと育ちの環境〜

2018.10.12

みなさんこんにちは。
今日はLearning for Allの現場から見る発達障害について紹介します。

LFAの学習支援の現場には、困難な家庭環境などに加え、発達障害などによって学習遅滞が発生している子ども達も通ってきてくれています。現場から見える発達障害についてご紹介します。

そもそも発達障害とは

発達障害という言葉はどこかで耳にしたこともあるのではないでしょうか。そもそも発達障害とは、2014年に定められた発達障害者支援法にて、

自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するもの

と定義されています。発達障害児への支援を行うLITALICOジュニアのHPでは、よりわかりやすくこのように説明されています。

生まれつきの脳機能の発達のかたよりによる障害です。得意・不得意の凸凹(でこぼこ)と、その人が過ごす環境や周囲の人とのかかわりのミスマッチから、社会生活に困難が発生します。発達障害は外見からは分かりにくく、その症状や困りごとは十人十色です。

ここで「得意・不得意の凸凹」と言われているように、得意なこともあれば不得意なこともあるという発達障害は、不得意なところをフォローしあうことで社会生活をうまく送れるようになります

文部科学省の標本調査(※)では、義務教育段階にある子ども52,272人のうち、発達障害の可能性のある児童生徒は6.5%程度という結果が発表されました。

(文部科学省 平成24年12月5日 文部科学省初等中等教育局特別支援教育課 通常の学級に在籍する発達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査結果について  より Learning for All作成)

 

 

 

 

 

 

社会の中で抱える困難

発達障害の子どもは集団生活になかなか適応しづらいことが多く、学校生活でその特性が現れることも多いです。

Learning for Allの現場に通っている貧困世帯などの子達にも、発達障害を抱えている子達がいます。

小学生のMちゃんは、1年以上の学習の遅れが見られ、特別支援学級を利用しています。
感情のコントロールをすることが難しく、嫌なことがあると、友達を叩いたり、かんしゃくを起こしてしまいます。Learning for Allの現場でも、他の子どもたちと喧嘩になってしまうことが多くありました。

また、Mちゃんの場合は、Mちゃんだけでなく母親も同様に発達障害があり、母親自身も社会生活において様々な生きづらさを抱えています。そのような状況のなかでのMちゃんの育児は困難を極め、Mちゃんに歯磨きや入浴などの生活習慣などを身につけさせることが難しい状態にありました。

貧困家庭に生まれ、貧困の連鎖に飲み込まれそうな子どもたちが貧困だけでなく様々な困難に晒されているという現状が垣間見えます。

困難な状況にある子どもたち一人ひとりに寄り添うことが何より大切です。

Learning for Allの現場では

Learning for Allの学習支援では、発達障害の傾向のある子どもに対し、一人一人にとってわかりやすい教え方を工夫しています。

たとえば、負の数を新しく学ぶ際、声に出して読んだりなぞったりするような教材を用意したり、

具体的なイメージを持ちにくい計算について、絵や音でイメージできるような教材を用いたりしています。
このような工夫をすることで、発達障害の子どもも学力を伸ばしていくことができます。

また子どもの居場所拠点である「子どもの家」では、子どもの状況・背景を丁寧に観察し、それを踏まえた上で支援を考えています

見通しの持てる時間設計をしたり、先の予定をこまめに声かけすることで、集団での行動が苦手な子どももみんなと一緒に行動することができるようになります。

また、ども達同士の意図を代弁する通訳のような関わりをすることで、コミュニケーションが難しい子ども同士でも徐々にうまく意思疎通ができるようになります。

まとめ

このように、子ども一人ひとりの違いに応じた支援を届けることで、子ども自身の力をより伸ばしていくことができます。また、それは子どもたちが将来社会に出た時に周りと少しでもうまくやっていく力にもなると私たちは信じています。

このブログが発達障害とその支援現場に対する理解の一助となれば幸いです。


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※この数値は、平成24年に文部科学省が行った調査において、学級担任を含む複数の教員により判断された回答に基づくものであり、医師の診断によるものでない

・参照文献
発達障害者支援法(平成十六年十二月十日法律第一六七号)
LITALICO発達ナビ
平成24年12月5日 文部科学省初等中等教育局特別支援教育課 通常の学級に在籍する発達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査結果について

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