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【子どもの貧困とクリスマス】〜プレゼントをもらえるのは当たり前?〜

2018.12.24

みなさんこんにちは。Learning for All 職員の藤原です。

12/24はクリスマスイブですね。
子どもの頃のクリスマスといえば、家族でケーキや豪華な食事を食べたりサンタさんがプレゼントを持ってきたり…という楽しい思い出がある方が多いのではないでしょうか。

今日は、子どもの貧困とクリスマスについてのブログをお届けします。

「子どもの貧困」を測るもの〜物質はく奪指標から考える〜

貧困状態を測る指標としてよく挙げられるのは「相対的貧困率」という家庭の経済状況を年収から測る指標です。

しかし、相対的貧困率は現物給付や家事や介護などの非金銭的な負担や、ローンなどが反映されないというデメリットがあります。

所得だけでは測れない生活の質を把握するために、ヨーロッパを中心に「物質的はく奪指標」という考え方が提案されています。

「物質的はく奪指標」とは、「1日3食食べることができるか」、「修学旅行に参加できるか」などの生活に必要な財・サービスを選定し、それらが経済的な理由で享受できない場合を調査し、貧困の状況を示す集計的指標」のことです。(内閣府より)

つまり、その国で他の人と同じように生活するために必要なものが揃っているのかということを見ることができます。

内閣府が提案する「物質的はく奪指標を構成する項目になりうる候補」として、以下のようなものが挙げられています。

「こづかい・交際費」のところに「クリスマスプレゼント」が挙げられています。

クリスマスプレゼントは一般的なことになっており、クリスマスプレゼントがもらえるかどうかということが、貧困の指標にもなりうるのです。

子どもの貧困とクリスマス

相対的貧困状態にある子どもは7人に1人であり、年収245万円以下で暮らしている家庭です。ここから様々な控除などをうけ、月々20万円に満たない額で親子が暮らしていることになります。

2016年に調査された「福島市子どもの貧困対策に関する関係機関・団体調査【報告書】」によると、子ども支援の関係団体が日頃子どもや保護者と接する中で感じることとして、「旅行、誕生日、クリスマス等の体験がなく、友だちと楽しさや喜びを共有できない。また、そのことに 劣等感をもっている。」ということが挙げられています。

また、産経ニュースの記事によると以下のようなデータがあることがわかりました。

クリスマスなければ…シングルマザー3割回答 1割が子供に「うちにはサンタは来ない」

シングルマザーの3人に1人がそう考えたことがあると回答したとする調査結果を、サンタクロースを活用したボランティアをしているNPO法人「チャリティーサンタ」(東京)が明らかにした。余裕がないことなどが理由で、10人に1人は子どもに「うちにはサンタは来ない」と伝えたことがあると答えた。

 今年の調査は9月に実施、103人が回答した。「クリスマスなんてなくてもいい、来ないでほしい」と思ったことがあるかという問いに、38人(36・9%)が「ある」と回答。理由は「お金がかかる」「時間の余裕がない」「2人きりでさみしい」など。

 クリスマス時期の気持ちを複数回答で尋ねると「楽しい」が58・3%でトップだったが「子どものためにもっとやってあげたい」が56・3%、「お金がかかって大変」が42・7%と続いた。年収が低くなるにつれ「切ない」「しんどい」という回答が増えた。

プレゼントをもらえるのは当たり前?

経済的に困窮している家庭の子供がプレゼントをもらえない、など、子どもならではの体験が経済的な理由でできないことは、自己肯定感にも関わっています。

「 首都大学東京子ども・若者貧困研究センター」の「「子供の生活実態調査」詳細分析報告書」では、体験の例として下記11項目に着目し、これらについて「経済的理由でしていない」と回答した数が2 項目以下のグループと3 項目以上のグループに分けて分析を行ったそうです。

・海水浴に行く
・博物館・美術館などに行く
・キャンプやバーベキューに行く
・スポーツ観戦や劇場に行く
・遊園地やテーマパークに行く
・毎月お小遣いを渡す
・毎年新しい洋服・靴を買う
・習い事に通わせる
・お誕生日のお祝いをする
・1 年に1 回くらい家族旅行に行く
クリスマスのプレゼントや正月のお年玉をあげる

生活困難層のうち上記の体験剥奪が2項目以下の子どもは、自己肯定感が高い(17~24 点)割合が小学5年生で47.7%(17~20 点27.9%、21~24 点19.8%)であるのに対し、体験剥奪が3項目以上の子どもでは、小学5 年生で38.2%(17~20 点27.7%、21~24 点10.5%)と少なくなっていることがわかりました。

つまり、子どもにとって当たり前の経験やものがないことが、自己肯定感にも関わっているのです。 

まとめ

今回ブログでは、子どもの貧困とクリスマスをテーマにお届けしました。
クリスマスという子どもにとっての楽しいイベントが出来ない家庭もあり、そのような当たり前の経験やものが「ない」ということが貧困の指標にもなりうること、
また子どもの自己肯定感にも関わっていることをお伝えしました。

この機会に、子どもの貧困について少しでも考えていただけると幸いです。

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