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成人の日〜新成人がみる日本の将来とは〜
子どもから大人へ成長していく中で、成人という人生の節目はとても大きなイベントです。皆さんの中にも成人の日の思い出がある方はいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、新成人が日本の将来について見ている景色はあまり明るいものではないようです。
株式会社マクロミル「2019年 新成人に関する調査」によると、日本の未来について62.8%が「暗いと思う」「どちらかといえば、暗いと思う」と回答しており、また、就職に対して「不安を感じている」「やや不安を感じている」と答えている割合は72.0%にも上っています。
さらに新成人が関心のある問題として、1位に景気・雇用対策、2位に少子化対策が挙げられています。新成人が見る将来は、不安の残るものであることがわかります。
以前「七夕の日に考える〜将来の夢と子供の貧困〜」のコラムでもお伝えしたように、特に貧困家庭の子どもは将来の夢を持ちにくいことがわかっています。ここで、成人式と貧困の関係についても見ていきましょう。
晴れ着を用意することができない新成人
成人式といえば華やかな晴れ着が印象的ですが、昨年のはれのひの事件など、晴れ着に関する話題は事欠きません。
実際、成人式の準備は家計にとって大きな負担になります。
振袖の準備や前撮りなど特に女性にとっては金銭的な負担がかかるイベントです。
東洋学園大学が行なった「成人式に関するアンケート調査」では、
成人式の衣装にかかる費用が紹介されています。
成人式の衣装にかかる費用として、男子では、7割以上が1万円以上の費用がかかったと回答しており、女子では7割以上が5万円以上、さらに約3割が20万円以上の費用がかかったと回答したそうです。
振袖のレンタルは、80,000円 以上かかるとされており(晴れ着の丸昌より)、振袖をレンタルすることができずに成人式に出席することを断念する成人が多くいることも見過ごせません。
こういった状況を受け児童養護施設出身の女性に対し振袖をレンタルし撮影する事業を行なっている団体もあります。
児童養護施設出身の子たちにとって、振袖など成人式の費用を用意することは簡単なことではありません。同じく成人を迎える人たちが晴れ着で式に行く中、自分だけ振袖を着られないという状況は、自分の生い立ちを悲しんでしまうことになるでしょう。
成人の日を、全ての新成人が晴れやかな気持ちで迎えられることを祈ってやみません。
2分の1成人式
成人の日にちなみ、最近話題になっている行事として、「2分の1成人式」というものがあります。
10歳になる小学4年生の時期に、20歳の半分の「2分の1成人式」として子供から保護者に感謝を伝えたり、幼い頃の話を伝えるというイベントです。
多くの親にとっては、子どもの気持ちを知ることができたり、日頃の感謝を伝えてもらうなど、子どもの成長を実感できるイベントであり、子どもにとっても、幼少期を思い出しいつもは伝えづらい感謝を伝えられるイベントとして行われています。
しかし、こちらも成人式同様、どの子どもにとっても楽しいイベントになっているわけではありません。
朝日新聞によると、ある父子家庭の子供は虐待を受けていたことがあり、いざ10歳で親への感謝を伝えろと言われても嘘で文章を書くことしかできなかったため学校で書き直しを求められたり、父親から子どもへの手紙を書いてもらうことができなかったそうです。
Learning for Allの現場に通っている子どもたちの中にも、親からネグレクトを受けている子ども、虐待を受けている子どももいます。
このような子どもたちにとって、家族での思い出をクラス全員の子どもと保護者の前で話すことは、家庭環境を見せることにもなり、全ての家庭の子供にとって嬉しいものではないでしょう。
このように、ひとり親家庭や施設に通っている子どもなどにとっては感謝の機会を伝えるよりも苦痛が多くなってしまうため、配慮をすべきではという意見もあります。
まとめ
成人の日に際して、新成人の意識や、成人式・2分の1成人式の裏の側面についての記事をお届けしました。
どんな新成人・子どもにとっても、適切な育ちの環境が保証されているような社会であってほしい、そのような社会にしていきたいと思います。
子どもの実態についてもっと詳しい話を聴きたいという方はぜひLearning for All の活動説明会にお越しください。
参考資料
晴れ着の丸昌 横浜店 ホームページ
ACHA Project ホームページ
株式会社マクロミル「2019年 新成人に関する調査」
PRtimes 「【調査レポート】東洋学園大学の新成人にアンケートを実施」
朝日新聞「2分の1成人式、広がる 「感謝の言葉」苦にする子も」
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Learning for All では月に4回、メディアの情報だけではわからない「子どもの貧困」の実態やLFAの活動について紹介するイベントを開催してます。子どもたちの明るい未来を支えるため、私たちに「今、できること」を一緒に考えましょう。
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