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【Learning for All現役教師インタビュー】沖縄に生きるすべての子どもに笑顔が届けられように

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Learning for All 現役教師インタビュー、今回は、現在立石拠点で教師を務める東京大学2年の宇地原栄斗(うちはらえいと)さんです。

ーLFAに参加したきっかけを教えてください。

私は沖縄県という、気温も人も「あたたかい」島で生まれ育ちました。観光地として有名な沖縄県はそのイメージとは裏腹に、教育や子どもを取り巻く環境について、複雑で深刻な問題を抱えています。子どもの貧困率は全国の2倍、約3人に1人の子どもが貧困状態にあるといわれています。他にも全国で最も高い失業率や全国最下位の大学進学率など、教育と子どもに関わる様々な面において逼迫した状態にあります。このままでは、いつかこの島に生まれたことを誇りに思えず、後悔する子どもが現れるかもしれない、そう思って沖縄の教育の現状にアプローチする手段を考えていました。そんな中、LFAを紹介してもらい、理念や課題解決の手段に感銘を受け、「同じものを沖縄でも再現したい」と思い、参加を決意しました。

ー沖縄での経験が原体験になっていると言っていましたが、それについて聞かせてください。

「子どもの貧困」という言葉で、取りざたされるような状況を肌で感じて育ちました。金銭的な理由から大学の進学を断念する友人や、学力の遅れから高校への進学をあきらめる人、自らアルバイトでお金を稼ぎながら受験の費用を賄おうとする友達など、普通ではないような状況がそこにはたくさんありました。しかし、そうした状況が当たり前であるような雰囲気があり、「異常」が「通常」となっている気がします。東京に来て、同じ大学の友人たちのことを見ていて所得や進学に対する意識等、多くの面で格差を感じました。大学進学率が40%以下と非常に低い沖縄では、東京大学に進学することは非常に珍しいことでした。

しかしながら入学してから同級生の話を聞くと、一つの学校から30人以上東大に合格する学校が当たり前のように存在し、「東大に入ること」が珍しいことではないといえるような環境が存在しました。東大に限らずとも難関大学への進学において、その実現可能性の値が沖縄と東京では全く異なっているということに気づきました。さらに私が最も差を感じたのは所得がもたらす教育格差への問題意識でした。東大の学内における友人とのコミュニケーション、サークル、ワークショップ等のイベントなど、様々なシーンにおいて教育格差に関する言葉を耳にする機会はほとんどありませんでした。多額の奨学金を借りて必死に進学している生徒や、そもそも、お金がなくて進学できない生徒が存在している状況を認識していない学生も多くいました。私はこのことに衝撃を受けるとともに一つの理解を持ちました。東京大学に進学する学生の多くが経済的に余裕があり、教育水準も高い環境で生まれ育っています。したがって、教育格差やそれにより困窮する人の実際を目の当たりにする機会がありません。とにかく、少なくとも沖縄よりは圧倒的に少ないはずです。

そのような状況においては、私やLearning for Allが抱えているような問題意識を持つことは困難だといえます。私はこうした状況を少しでも変えたいです。まだまだできることは少ないですが、まずはLearning for Allの輪をさらに大きく、日本全国に子どもの居場所が作られるよう尽力していきたいと思っています。一人でも多くの人が問題を認識し、問題意識をもって行動してほしいです。そのためにも同じような原体験を持つ大学生が一人でも多く立ち上がってくれることを願っています。

ーLFAの魅力は何ですか?

チーム学習や子どもと向き合う姿勢など、挙げればきりがないですが、「教師を成長させる仕組み」に特に魅力を感じています。教育において、子どもにもたらされるものって、教師個人の能力や特性に依存する部分が大きいと思います。その不画一性が教育の魅力だとも思いますが、そうなるとどうしても良い先生と出会えたことは「偶然」になってしまいます。しかし、LFAのプログラムはその偶発性を超えて、すべての教師が子どもの可能性を引き出せるような仕組みを持っています。事前・中間の研修やPMからのフィードバック、教師間での学びあいなど、「普通の大学生」をマインド・スキルの両面において「一流の教師」に育てていくという姿勢から生まれた文化はLFAという組織全体の成長の要ではないかと考えています。

ー春・秋と継続して参加した理由は何ですか?

私は2016年の春に教師として参加したのですが、参加する前は再び教師をする気持ちはそこまで強くありませんでした。しかし、春に出会った中3の男の子の現状を知り、コミュニケーションをとりながら、学習支援をしていくうちに、この子の受験を見届けなくてはという思いが芽生えました。自分が指導をし始めた当初、この男の子は動詞の過去形や三単現のSが理解できておらず、四則の計算も誤ることが多く、中学3年生の平均的な学力とはかけ離れたものでした。このままいけば、高校への進学は非常に厳しいと感じました。

しかし同時に彼の可能性も感じました。決して勉強ができないわけではなく、少しずつ少しづつ形成された苦手意識が彼の邪魔をしていたからです。学校がケアしてくれないような初歩的な項目から学習を進めていくことで、彼やその周りの人が出来ないと思い込んでいたことが出来るようになっていきました。いつもいつもいい意味でこちらの予想を裏切ってくれる彼との学びは本当に刺激的です。最近もずっと20~30点台だった英語のテストで50点以上の点数を取ってきました。

彼の指導を1年通して続けていくという選択は自分勝手な責任感で、自己満足なものだと批判されるかもしれません。それでも社会において誰かが子どもに対する責任を負わなければならず、その「誰か」が自分ではないのかと思ったのです。当時の自分にできる最善の決断でした。残り少ない受験までの時間を大切に過ごしていきたいです。

ー最後に冬季のプログラムへの参加を考えている学生に一言お願いいたします。

日本にはLearning for Allの支援が届けられていない子どもたちが大勢います。彼らのうち一人でも多くの子どもが笑顔になれるように協力してください。まずは説明会へ。心からお待ちしております。

Learning for Allでは、学習支援事業の冬期プログラムに参加する学生教師を募集中です。記事を読んで少しでも関心をお持ちいただいた方、まずはぜひ説明会に参加してみてください。

説明会予約およびプログラムの詳細はこちらから:http://bit.ly/saiyo1206

▼説明会日程
12月 9日  (金) 18:00-20:00
12月 12日(月) 18:00-20:00
12月 13日(火) 18:00-20:00
12月 16日(金) 18:00-20:00
12月 17日(土) 18:00-20:00

▼開催場所
Learning for All オフィス はなれ (都営新宿線 曙橋駅より徒歩3分)

▼Learning for Allとは?
質の高い学習支援を通して、困難を抱えた子どもたちの可能性を広げるとともに、将来教育現場や社会でリーダーシップを発揮する人材を育成する、大学生向けプログラムを運営するNPO法人です。団体について詳しくはこちらをご覧ください。:j.mp/lfa_hp

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