子どもたちの成長

 「出来る」という体験をする

★子ども

その子がはじめ書けたのは、すべてのアルファベットのうち、半分にも満たなかった。
指導に入る準備段階にて。外を歩いているとき、たくさんのアルファベットの羅列を目にした。
駅に向かう道のりで。街頭のお店の看板で。
普段意識することはなかったが、これほどまでに日常にアルファベットが溢れているとは考えもしなかった。

「これがもし、全く意味不明な文字の羅列として彼女に見えるなら、それはとても悲しいことだろうなぁ・・」
なんとか彼女に関われる5日間で、52個の大小文字をマスターさせてあげたいと思った。

しかし実際の授業に入ると、彼女の成長速度は、
ぼくの予想をはるかに上回っていた。 彼女はたった3日間で、アルファベットを習得してしまったのである。

「おおお!いいねいいね!!」

4日目に行ったアルファベットテスト。目の前で1つずつ丸がついていくたびに、
彼女は小さく頷く。緊張が痛いくらいに伝わってくる。
そしてぼくがペンを置いたとき、解答用紙は52個の丸でいっぱいに満たされていた。
顔をあげると、そこには満面の笑顔。
ぼくが、マスターさせてあげたのではない。彼女が、自分の力でマスターしたのだ。
ぼくが提供したのは作戦だけ。書くだけではなく「音」と一緒に覚える作戦。
自分で作るオリジナルの「アルファベット表」を活用する作戦・・。
教室では見えることのない、決して短くない時間で作戦を実行に移し、
自宅の机に向かった彼女の小さな背中が、ぼくには見える。

最後に、そのすぐ後の話。
「本当に本当に君は頑張った!!」「でもね、、1か月後には覚えているかな?」
ぼくの意地悪な問いかけに対し、彼女は控えめに、でも自信ありげに頷いた。
「だって、やるき塾は私の夏の思い出だからね、忘れないもん。」

(※やるき塾=この拠点におけるLFA学習支援教室の呼び名)

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