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【職員インタビュー】〜地域で子どもを育てる社会に〜

2019.6.10

【職員インタビュー】〜地域で子どもを育てる社会に〜

みなさん、こんにちは、Learning for All 職員の福田です。
今回のブログでは、昨年10月から居場所支援の拠点長をしている岸本尚子さんのインタビューをお届けします。


LFAにきた経緯を教えてください。

幼い頃に読んだ本の影響で、中学生の頃から児童相談所で働こうと思っていました。ただ、中学、高校へと進学する中で、児童相談所より子どもの課題を早期発見できる教育現場に関わりたいと思い、小学校教育を専攻できる大学へ行きました。社会人になってからは、ハウスメーカーでの営業職、日本で学校教員、海外での学校教員、焼き物の開発営業と、様々な職を経てからLearning for All に出会いました。

どの経験も私にとって、大きな学びになりました。

例えば、日本で教員をしていた時は、目の前の子どもに適切な環境を作ること、覚悟を決めて向き合うことを通して、必ず子どもは成長していくことを感じました。しかし一方で、それでは見ている範囲が狭いなと感じることもあったんです。途上国で満足に教育を受けられない子どもに対して、人生の選択肢を広げる力をつけて欲しいと思いモロッコに行きました。

モロッコでの教員経験は非常に貴重でした。モロッコに行ったことで、もっと広く地域や社会の中で子どもを見て、子どもの成長を考えてみたいと思うことがありました。モロッコは日本ほど豊かではないんですが、子どもたちがすごく生き生きしているんですね。
例えば、子どもたちと将来の夢について話をしていた時、羊飼いの子は「俺は羊飼いになる」って言っていたんですが、父親と同じ職業に就くことを、少し誇らしげに、希望を抱いて伝えてくれたんです。でも本当は、そもそも羊飼い以外の選択肢を知らないんだと思います。それでも羊飼いになることをすごく楽しみにしているんです。
そういう彼の姿を見た時に、多くの選択肢があることで生きるのが難しくなってしまったり、知らないでいた方が幸せだったようなことを知って苦しんでしまったりすることもきっとあるんだろうなって思いました。どこまでもいっても「もっと上」を見せつけられる社会が人を幸せにするのか、豊かに生きるとはどういうことなのか、疑問に思ったんです。
モロッコと日本を比べた時に、確かにモロッコは決して物質的に豊かでありません。ですが、自分の夢を生き生きと語ったり、「あれが好き」「これになりたい」と言える空気感は、日本にはない文化なのではと思いました。その空気感の違いは、家庭や学校だけにあるのではなく、社会全体にある気がするんです。

これらの経験から、地域や社会で子どもが育つことを実感し、これまでとは違うアプローチで子どもたちと関わりたいと思うようになりました。そして、Learning for All の「地域で子どもを包括的に育てる」という理念に共感して、入職を決意しました。

Learning for Allにきて感じていることはなんですか。

だれ一人として後ろ向きな人がいないことですかね。思いを持たずに働いている人がいない、というか…。そういう思いを持っている人と働くのは自分のモチベーションにもなりますし、一緒に働いていてすごく楽しいです。

何気なく日々を過ごしていると、目の前の業務が社会の変化とどう結びついているのかを見失いがちですが、Learning for All にはそれを見失っている人がいないんです。きっとそれは、何かを大きなことをなそうとする時に「必ず実る」という信念を持っているからなんだと思います。

Learning for All での仕事の一番のやりがいはなんですか。

大きく2つですね。

1つは、何より子どもたちの変化です。私がいる拠点では、自分の感情に素直で幼いからこそ、相手とのコミュニケーションが苦手な子が多いです。本当は面倒見も良くて優しいのに、それをうまい言い回しで言えなかったり、相手の欲求と自分の欲求とのすり合わせができなかったり…。
そのときに、「どうしたかったの?」「〜〜ということ?」とスタッフが聞くことで、子どもが本当にしたかったこと、言いたかったことを相手に伝えられるようになってきていることが、大きなやりがいにつながっています。

もう1つのやりがいは、拠点が地域の中で認知され始めているのを実感できることです。保護者様から直接相談の電話かかってきたり、地域の方が行事のことで相談に来てくれたり、学校の先生が顔を出してくれたり、スクールソーシャルワーカーの方が様子を見にきてくれたりしています。ひとつの「頼れる場所」として認知されているのが嬉しいです。

また、まだ関わったことがないない保護者の方も、建物を見て「何だろう?」と立ち寄ってもらえることがあります。少しずつ地域の中に当たり前にある存在として浸透していっているのを感じられて、それにもやりがいを感じます。

支援で大切にしていることはなんですか。

まずは、覚悟を持つことですかね。今向きあっている子どもたちのなかには、多子世帯や疾患など様々な理由で面倒を見切れていない子どもたちがいます。そこの不足を埋めるために、丁寧に時間をとってやるべきことをしたい。どれだけ時間がかかるかわからないけれども、辛抱強く子どもを信じ、期待をかけていきたいです。あくまで手助けが必要なだけなだけで、期待して接すればあの子たちは絶対できると思っています。そういう風に期待をかけると、自分たちが予想もしていない成長をしてくれるときもあります。


あとは、「大人って面白そう」と思ってもらえるようにしたいと思っています。焼き物の販売業をしている時に、それまで自分の世界では見られていなかったかっこいい大人にたくさん出会いました。地方でずっと焼き物の伝統を守っている人、その伝統を海外に発信しようと苦心する人、自分の人生を楽しんでいるプロフェッショナルの大人にたくさん出会えました。

今の拠点には少しでもそういう大人に関わって欲しいと思っています。というのも、子どもにとって憧れって大事だと思うんです。ある子はスタッフやボランティアの学生をかっこいいと思ったり、別の子は地域の大人を尊敬して「あんな大人になりたい」と思うかもしれない。どこに引っかかるは子どもによって違うと思うんですが、大人って楽しそうって少しでも思えるような環境・場づくりをしたいと思っています。

印象に残っている子どもの変化はありますか。

この拠点では宿題をやる時間を設けているんですが、最初はまず宿題も持ってこないような子がいました。持ってきたとしても、「(学校の)先生はやったかやってないかしか見てないもん」と、丸付けを雑にやってしまっていました。
でも最近は、宿題にしっかり取り組むようになり、少しずつスピードや正確性がでてきているだけでなく、丸付けも丁寧にやるようになってきました。本当は自分がやりたいことと今の勉強を結びつけられるとベストですが、小さいうちは、宿題をやった時に誰かが見てくれていることや誰かが評価してくれているっていう感覚が大きいんだろうなって思っています。問題を解けた時に一緒に喜んでくれる人がいるのがすごく嬉しいんだと思います。
また、興味の幅も広がってきています。「宿題ってなに?」と言っていたような子が、自分から本を開いたりするようになってきました。「自分で決めたことはやる」という事が続けられていて、少しずつ子どもたち自身が「今はこういう時間だ」と自然と思うようになってきています。

ただ、悩みもあります。勉強に関心を示すという変化はそれで一つの真実ですが、いわゆる家庭の背景まで考えるとそれって大きな変化ではないと感じられてしまったり、まだまだ学校で問題行動を起こしてしまう子もいます。子どもたちの目の前の変化だけでなく、自分たちが見えていない場所や私たちと離れる時期の子どもたちの未来に向けても、何か変化が起きているかを常に考えないといけないと思っています。
そのためにも、「やればできる」っていう気持ちを大事にしてあげたいと思っています。わからないからできない、やらない、怯えて逃げるというスパイラルにならずに、「あれ?できんじゃん」という達成感を感じられるようにしてあげたいです。その子の興味がある部分をもっとモチベートしてあげられたらと思っています。

LFAではどのようなことを達成したいですか。

今、関わっている地域での支援をより広い地域に広げていきたいですね。今回居場所を開いている場所にも、少し遠方から来たいと言ってくださる方がいたのですが、やむを得ずお断りしてしまったことがありました。子どもたちが普段生活をしている地域に居場所があって、「通う」というより、「立ち寄る」って言う感覚の場所であってほしいんですよね。当たり前のように居場所がそこにあるのが大事だと思っています。
他の地域でも、「居場所」を待っている子どもたちは沢山いると思うので、この取組みをどんどん広げていきたいと思っています。

この記事を読んでいる方に一言お願いします。

社会の空気感を子どもは敏感に感じ取ります。そして、良くも悪くも自分が生きてきた環境の影響を大きく受けます。何のために学ぶのかもわからず勉強をさせて子どもを社会に出すのではなく、「どんな生き方も正解で、世界は広く面白い」と思える社会にしたいです。
子どもを中心にしつつも、大人が楽しく過ごせるような社会を作ることで、子どもも表情豊かに育っていくと思います。そういう明るい元気な社会をみなさんと一緒に作れたらと思っています。

 

 

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