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【LFA職員の声vol.3 】子どもの家事業部対談インタビュー(前半)〜子どものありのままを愛情で包む安全基地〜

2018.7.27

みなさんこんにちは。Learning for All 職員の藤原です。

様々な事業部のメンバーの声を対談形式で紹介する「LFA職員の声」シリーズ。今回は、主に小学校低学年の子どもたちに対して居場所支援を行なっている、子どもの家事業部の矢野(写真左)と今野(写真右)に対談をしてもらいました。安心できる「第三の居場所」を作っている子どもの家事業部の方だからこそ見えてくるものや、現場への思いが溢れています。

「子どもの家」ではどのようなことを考えて仕事をしていますか?

今野:私はこれまで小学校教員や発達障害など特性のある子どもたちの個性を伸ばす塾などを経験しました。精神疾患のある親の子どもや、発達障害のある親、あらゆる困り感のある学校の様子を見てきて、「授業を聞けるようにする」「集団を動かす」前に、ただ目の前の子どもが満たされるまでその子の側にいて、じっくり話を聴く、見守るなど、ありのままを包み込むような関わりをじっくりしたいと思いここに来ました。そのような暖かいまなざしで関わり、安心しきることができれば、大人が何かをしなくとも子どもたちは本当に大好きなことに取り組んで輝いていけると思うんです。そういうサポートがここでできるということはとても幸せだと感じています。

矢野僕はこの子どもの家で子どもが見ている景色を一緒に見ているようなイメージかな。ただただ一緒にいて、学校から帰ってきた数少ない自由な時間を、その子が何をしたくて何を求めて何を見て何を感じているかを一緒に味わうという仕事だと思っています。子どもたちも困ったことがあればこちらに言ってくれるし、必要ないときには「あっち行ってよ」と言われるし笑

今野:学校でも習い事でも、子どもにとって大人からあれこれ言われない場所ってなかなかないと思うんです。大人が心配して色々言うことで子どもの失敗や学びのチャンスを奪うのではなく、子どもが思う存分わが道を行ける場所が必要だと思っています。矢野ちんのスタンスは本当に最高笑 だからと言って放任するのではなく、複雑な場面でも子どもが本当に心の底から求めていることを見つけて引き出し、支えていくことに責任を持ちたいと思っています。

前職で小学校教員として担任をやっていた時の経験から、子どもの一番の願いって「ありのままの自分を愛して欲しい」ということかなと思っています。そこさえ満たされていれば、どんな環境にあっても自分らしく輝けるたくましい子になると思います。多くの子どもたちは根っこの部分で愛情を渇望しているように見えます。しかし、その愛情が足りないことに気づいていない子もいます。子どもの家はまだ安心して自分の素直な気持ちを表現できる場にはなりきれていないと思いますが、いずれどの子にとってもありのままの自分を出せる「安全基地」になると思っています。

矢野例えば学校の国語の授業で作文を書きましょう!だと、作文の中での表現がその子の表現として捉えられるよね。子ども達の居場所となることを目指している子どもの家にいて思うのは、例えば子どもがドアを開けた瞬間どんな顔をして入ってくるか、イライラした態度をとっているとか、そういう大人が評価する物差しがない形で、すでに子どもは表現しているよね。大人が用意する表現の枠組みがなくても、子ども達は既に何かしらの形で、今の自分を表現している。それを大人がキャッチして、受け止められるか。ここでは自分の感じていることそのまんま出していいんだ、と子ども達が感じて、それをゆったりと受け止められるのはここの良さだよね。

今野:余白のある場所ってなかなかないですよね。

矢野子ども達が過ごす時間の中で、この場ではこういう振る舞いが望ましい、と大人に判断されるばかりで、そっから外れているかどうかでしか見られないところが多いよね。子どもにいろんな表現の仕方があってこんな一面があるって気づくことがとても面白い!

「子どもの家」に来てからの子どもたちの変化について教えてください。

矢野:最近でいうと小4のタロウ(※1)の話かな。ある日小6のカナコと小4のジロウがずっと喧嘩してて、それがカナコをお父さんが迎えに来る時間まで続いていたんだよね。そうするとタロウが「ジロウがカナコのパパと握手すればいいじゃん!」と彼なりに2人の仲を取り持とうとする行動をしたんだよね。どちらも引っ込みがつかない状況を、彼なりになんとかしたいと思って出た言葉で、結果的にジロウとカナコのお父さんが握手して、なんとなく場が和んで、喧嘩は終わって。パパと握手で喧嘩が終わるって面白すぎるし、それでいいんだよなって思った。

今野:タロウは普段は宿題が苦手で自信がなくてイライラしてるけど、本当はすごくひょうきんで優しい。友達同士の喧嘩をわかって和ませていました。

他にも、小3のタクヤは2ヶ月前より表情が柔らかくなったと感じます。最近、私に「今ちゃんって頭いいし優しいんだね」なんて言ってくれたことも笑。怒ることよりユーモアを出すことが多くなったというか。それってスタッフ側の余裕もあるんだろうな。子どもの怒りや暴言や悲しみの中にある「本当は何をしたいか」を皆で見ていられるようになったと思います。スタッフたちはタクヤの本当の想いや優しさを受け止めるようにしていて、それに本人も安心したり誇らしく思えるようになっている。その積み重ねでタクヤからもスタッフへ優しさを届けてくれたんだと思います。

矢野後はみんなでゲームなどをするQちゃんタイム(※2)かな。30分みんなで自分の気持ちを話したり活動する時間を取ったとき、小2のリョウタが同じ小2のケイタがちょっかいを出したことでかんしゃくを起こしてしまっていて。それをみて大人がリョウタをかばっていたんだよね。

今野:リョウタとケイタが喧嘩していたなかで、なんとなく大人の雰囲気はケイタ側になってしまっていました。そうするとリョウタが雰囲気を察して、喧嘩していたのに「ケイタの味方はいないじゃんかよう!」とみんなに叫んだんです。リョウタの正義感が現れた場面でした。子どもって、大人が無意識に求めているものとかその場でのパワーバランスが分かるんだと思います。

リョウタの話のように、大人が子どもの邪魔をしないようにしたいと思います。子どもの家でも、今は遊びの時間や勉強の時間など枠組みがあって、そういうもので子ども同士の関わりなどを切ってしまうことがあります。勉強の時間ではなくても、買い物遊びの中で割り算をできなかった子が年下の子に教えていたりなど、学び合う場面が自然と生まれたりします。子どもがやってみたい!と思う主体性を大切に守っていきたいです。大人側が的外れな願いを押し付けることはしたくないと思います。

矢野僕も、子どもたちの自由な時間をこちらが奪わないように、ということを考えなきゃいけないと思います。昔と比べて、子ども達が自由に過ごす時間が少なくなってきているという前提があり、その限られた自由に遊べる放課後の時間に、子どもの家にきてくれている。それを考えると、ここでの時間は大人の介入は最小限にしたいし、大人の意図で子どもの時間を埋め尽くすのはやめたいんですよね。どう彼らがそのままでいられるのか、彼らが自分の時間を自分のものとして楽しむために、大人に何ができるか、を考える必要があると思います。


※Qちゃんタイム:今野・矢野を中心に毎週金曜日に1時間くらい実施。成長も課題も発達も全く異なる子どもたちが丸くなって、一緒にゲームなどをする中で社会性や各自の個性、強みを磨く。

いかがでしたでしょうか。子どもと直接接するスタッフだからこそ感じる「居場所」の大切さ、子どもの育ちの根本に目を向けた支援への思いが伝われば幸いです。
対談インタビュー後半編では、これからの子どもの家、居場所づくりについての内容をご紹介します。お楽しみに。

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