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これまでのLFA通信 ②

2018.6.19

こんにちは!
LFA通信です。
LFA通信では、前回よりこれまでの15回の内容のまとめを紹介しています。
今回は前回に続き、2回目のまとめです。

LFA通信では、これまで様々なことを取り上げてきました。
LFAの活動の紹介から、LFAが向き合う子どもの貧困・教育格差などの社会課題、活動の一つである学習支援事業について、などなど…。

前回のまとめでは、LFAが向き合う課題がどのようなものか、それに対する考え方などをおさらいしてきました。
今回はLFAの活動の一つである学習支援事業が全国的にどのような状況にあるのか、そしてLFAの①実践②人材育成③発信・提言がどのように行われているのかを詳しくご紹介していきます。

 

■なぜ学習支援は行われるのか

LFA通信では、LFAの具体的な活動の一つである学習支援事業が、全国的にどのような状況にあるのかについても考えてきました。

現在、日本全国で学習支援事業に大きな注目が集まっています。
第9回 広がる学習支援
では、学習支援がどんな風に注目され、広がっているのかをお伝えしました。
学習支援には文部科学省・厚生労働省・内閣府といった省庁が関わっています。
また、実際に事業を行う自治体も増加傾向にあります。
現在、ほぼ半数の対象自治体で学習支援事業が行われています
実施していない自治体でも実施予定の自治体があり、今後も拡大していくと考えられます。


(出所:さいたまユースサポートネット(2017)より筆者作成。多くの自治体が学習支援事業を行っています。)

一方で、実際に事業を行う上でいくつかの課題もあります。
自治体が直面する課題としては、<1>人材確保<2>利用者の確保<3>アクセス支援などがあげられます。
また、これらに共通することとして、財源の不足という問題もあります。
実際に事業を行う上では解決しなければならない課題がまだまだあるようです。

広がりを見せる学習支援ですが、そもそも学習支援は子どもの貧困・教育格差に対する対策として具体的にどんな意味を持つのでしょうか。
それを検討したのが、
第11回 なぜ学習支援は行われるのか
です。
学習支援には、これまで政策として様々な意味が付与されてきました。
それらをまとめたものが、下の図です。


(松村智史(2016)「貧困世帯の子どもの学習支援事業の成り立ちと福祉・教育政策上の位置付けの変化」(『社会福祉学』)を参考に、LFA作成。学習支援の役割の変遷)

このように、学習支援事業は、その時々の時代・社会状況を反映し、政策上の位置付けを様々に変化させながら行われてきました。

さらにLFA通信では学校と学習支援の関係にも注目しました。
第13回 学校と学習支援
学校があるのになぜ学習支援を他で行うのだろうか、という疑問を持っている方もいると思います。
学習支援には、学校での学びを補償・補完する意味があります。
義務教育が敷かれる中でも、前回見てきたような困難な状況から必要な学び・育ちが得られていない子どもたちがいます。
そこで、何らかの形で学習の遅れや必要な育ちに対して個別対応する必要が生じます。
ここに学習支援の大きな役割があります。
実際、多くの学習支援が一斉授業ではなく、個別もしくは少人数での指導を行います。
この中で、個々の状況を把握し、必要な支援を行っていきます。
学習支援は一つの「セーフティネット」と言えるでしょう。

一方で、補償・補完にとどまらない、積極的に社会を問い直していく役割も学習支援は持っています。
社会課題の当事者として主体的な動きをすることで、根本にある子どもの貧困や教育格差といった問題の解決につなげることもできます。
これまで学習支援が積み上げてきた活動や知見を活かして、主体的に学校や福祉部などの行政、民間企業、社会と関係を結ぶことも、これからの学習支援に必要なことでしょう。

ここまで、学習支援事業がどのような状況にあるのかをまとめてきました。
学習支援は現在大きな注目を集めています。
そこには、学習を支援にとどまらない、様々な意味がありました。
一方で、運営上は様々な課題があり、今後はこれらを解消していく必要もあります。

ただし、根本にはやはり、目の前の子どもに当事者として向き合い、問題の解決方法を模索し、子どもたちの思いに応えていくこと、その中で改めて社会の在り方を問い直していくことが変わらずあるのではないでしょうか。


(全国的に広がる学習支援。どれだけ課題解決に資することができるのかがより一層問われることでしょう。)

 

■社会を変える活動

最後に、LFAの活動内容(①実践②人材育成③発信・提言)についてまとめます。

①実践として、学習支援を取り上げました。
第12回 学びの場となる学習支援
LFAの学習支援が目指していることは、大きく分けて2つあります。
1つは、支援の現場や支援を通じて、子どもたちに笑顔と結果を届けることです。
学習を進める上ではまず安心できることが大事です。
そのために、LFAの学生教師は子どもたちが安心できる文化をつくります。
このことが笑顔につながるとともに挑戦を後押しすることになります。
さらに、LFAでは結果にもこだわります。
LFAの学習支援は主に小・中学生を対象としていることから、支援の期間には限りがあり、受験などの現実にも直面します。
この現実を乗り越えるために、私たちは結果にこだわった学習支援を行います。

もう1つは子どもたちが自律した学習者となることです。
そもそも、学習支援はその時間だけで完結することではありません。
支援の教室で先生が隣にいる時間だけ学習をするのではなく、学校での学習や日々子どもたちが自分で行う学習につながってこそ、学習支援の価値があると考えています。
さらにその先には受験など進路を左右する場面があり、やがて子どもたちは社会に出ていきます。
先ほどの「結果」の話にも通ずることですが、子どもたちが持つ可能性を広げ、自らの進む道を選びとれるようにならなければいけません。
ただ支援をするだけでなく、子どもたちが支援を受けることで、自分自身で考え、選択し、その結果に責任を持ち、振り返りながら成長できるようにサポートしています。

②人材育成ではLFAのプログラムで実際に学習支援を子どもたちに行う、大学生の学生教師について取り上げました。
第14回 LFAの学生教師
LFAの学生教師は第一に子どもたちに笑顔と結果を届ける役割を担っています。
しかし、笑顔と結果、この二つをともに届けることは簡単なことではありません。
そこでLFAでは、独自に開発した50時間におよぶ研修と指導にあたっての手厚いサポートを通して学生教師がスキルを身に付け成長することを支えます。
同時に、学生教師は今まさに目の前にいる子どもに変容をもたらすことになります。そのために、あるべき姿・理想像に向けて子どもたちの問題に関わる自分・チーム・社会に変容をもたらす存在でもあります。

これらを踏まえて、学生教師たちは社会課題解決を担うリーダーとなっていくのです。


(このように、LFAの学生教師は様々な方面に影響をもたらします。)

③発信・提言ではLFAの広報活動を取り上げました。
第15回 社会を変える広報活動
広報活動とは、事業の活動・方針を社会に広く伝え、多くの共感を得ようとする行為です。LFAも、LFAの活動や向き合う社会課題を皆さんに伝え、共感を得て組織を強化することを目指しています。
同時に、私たちは広報活動にも実際に社会を変える役割があると考えます。
そのための具体的な活動として、多くの人と議論を行うテーブルを通して社会を問い直し、行動を後押しする活動もすすめています。

ここまで、LFAの活動をまとめました。
LFAが行う①実践②人材育成③発信・提言のすべてにおいて、目の前の問題に取り組むとともに社会を問い直し、根本からその仕組や考え方を変えていくことが目指されています。

■LFAのその先

これまでの15回、LFA通信では様々なことをお伝えしてきました。
LFAが向き合っている社会課題の状況や、学習支援という活動を取り巻く社会状況。
そして、そのような中でLFAがどのような活動をしており、それが何を目指しているのか。

LFA通信は、これらのことを皆さんに伝えることで、LFAの向き合う課題を自分事として捉えていただくきっかけづくりの一つです。
LFA通信も残り少ないですが、今後もLFAでは向き合う課題や活動内容を積極的に発信し、課題に向き合う仲間を増やしていきたいと考えています!

さて、次回は今後のLFAのビジョンについてお伝えします。
これからのLFAがどんなことを考えているのか、皆様に知っていただければと思います!


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